( 129927 )  2024/01/18 13:20:09  
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自民党の派閥の政治資金パーティーに関連する裏金事件を受けて、「政治刷新本部」が設置された。

今後、政治とカネのあり方についての議論が行われるが、ジャーナリストの岩田明子氏は現行体制でのまとめられるか疑問を投げかけている。

この問題については、自浄作用の限界や議員の責任、政治資金規正法の改正、カネの流れの透明性の確保などが議論されるべきだと考えている。

(要約)

( 129929 )  2024/01/18 13:20:09  
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 自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件を受け、自民党内では「政治刷新本部」が設置された。今後、政治とカネのあり方についての議論が交わされるが、ジャーナリストの岩田明子氏は「いまの体制でまとめきれるのか」との懸念を隠さない。政治とカネの今後や、安倍氏の死後に空中分解が進む自民党の“いま”について、岩田氏が語る。「永田町はすっかり暗くなってしまった」……。 

 

 岸田文雄首相は、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受け、再発防止策などを検討する「政治刷新本部」を設置しました。この会合の中では、カネの流れやそこまでしてキックバック分を還元しなければならなかった理由について精査したうえで、今後について取り決めていかなければなりません。   

 

 自浄作用がどこまで働くのかはまだわかりませんが、最低限、自分たちで決断してほしいのは派閥のパーティーの「自粛」ではなく「禁止」です。これまで派閥のパーティーで得ていたお金は、今後は政党助成金や企業献金、個人のパーティーで賄うべきでしょう。   

 

 会合の中では、パーティー券購入団体・個人の公開基準を現行の20万円から5万円に引き下げることや、不適切な会計処理に対する罰則強化などが話し合われる見込みです。 

 

 逮捕された池田佳孝氏の事務所はキックバックを「政策活動費と認識して記載していなかった」と話しましたが、収支報告書への記載の義務がない政策活動費をどこまで認めるのかについても、今後検討が必要でしょう。  

 

 批判されがちな政策活動費ですが、党勢拡大に向けて仲間や協力者を増やす際、「この人と会ったことが公開されてしまうのは望ましくない」との思いから領収書に名前を載せられないというのは、理解できる考え方だと私は思います。議員側だけでなく、相手方が「名前を公開してほしくない」と希望することもままあるのです。 

 

  ただし、今回問題となっている不記載の額は、明らかにそういった目的以上のことが行われていると考えられる額ですよね。自己利用なのか、はたまた誰かに持ってこいと言われたのか、選挙の陣中見舞いなのか…。まずはそこを精査することから始める必要があります。  

 

 「ざる法」と呼ばれて久しい政治資金規正法についても、改正に向けて議論していかなければなりません。たとえばいまは不適切な会計処理が発覚した場合、会計責任者だけが処罰される仕組みとなっていますが、やはり議員も責任を負うべき。議員は嫌がるでしょうが、いかに議員まで紐づけていくかについて、与野党を問わず真剣に向き合っていくことが求められます。  

 

 国民としても、きちんとカネの流れの透明性が担保されていて、国のためになることだとわかれば、そのために必要な支出には理解を示してくれます。そこで、各政党のカネの流れをチェックする独立機関の必要性も議論するべきだと考えます。   

 

 

 
 

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