( 130549 ) 2024/01/20 00:38:39 1 00 日本航空の代表取締役専務である鳥取三津子氏(59)が、4月1日付で新社長に就任することが発表された。 |
( 130551 ) 2024/01/20 00:38:39 0 00 新社長に就任することがわかった日本航空の鳥取専務(日本航空HPより)
日本航空(JAL)は1月17日、代表取締役専務執行役員である鳥取三津子氏(59)が4月1日付で新社長に就任することを発表した。現社長の赤坂祐二氏(62)は代表取締役会長となり、植木義晴会長(71)は退任するという。
【写真】国際線CAとして勤務した30年前の鳥取氏の姿、「お嬢様学校」の思い出について語る姿も
国内の大手航空会社で女性が社長になるのは、今回が初めて。さらに鳥取氏は、客室乗務員(CA)出身という経歴の持ち主でもある。CAになってすぐ日航ジャンボ機墜落事故を目の当たりにしたとして、会見では、「当時を知るものとして、安全運航を次世代に継承していく強い責任感がある」と語っていた。
鳥取氏は1985年、東亜国内航空にCAとして入社。同社は日本エアシステム(JAS)への社名変更を経て、2004年にJALに統合された。経営統合後は、JALの客室乗務部門や安全推進に関わる部門の管理職、役員などを歴任してきた。この抜てきの背景を、ビジネス雑誌記者が解説する。
「JALでは、中期経営計画でESG(環境・社会・ガバナンス)戦略を大々的に掲げており、ダイバーシティを重要視しています。管理職に占める女性の割合や、課長職以上の女性の割合などのパーセンテージ向上に力を入れてきた結果、今回の人事に繋がったと思われます。
また、JALといえば、1月2日に発生した羽田空港での衝突事故で、乗客367人全員を脱出させたCAの手腕に国外からも称賛の声が集まりました。大手航空会社の社長が女性、しかもCA出身というのは世界的にも珍しい人事で、明るい話題になっています」(ビジネス雑誌記者)
鳥取氏とは、一体どんな人物なのか。彼女が卒業した活水女子短期大学(長崎県長崎市、2005年に廃止)は、地元では有名な“お嬢様学校”だった。
「華やかな雰囲気の生徒が多く、地元では“あそこのキャンパスは毎日がファッションショー”と言われていました。一方で、スナックなどでアルバイトをすると即退学と言われ、ジーンズ登校や喫煙が禁止されているなど、お嬢様学校らしく規律はけっこう厳しめ。活水の学生だと言うと、長崎の男性は目の色が変わるほどの“ブランド”です。
鳥取さんはそんな活水女子短大の英文科出身で、学生時代はバレーボール部に所属していました」(鳥取氏を知る地元関係者)
1980年代当時、CAは女子学生が憧れる花形の職業だった。ちょうどドラマ『スチュワーデス物語』(TBS系、1983年10月~1984年3月)が放送されていたのと同時期に鳥取氏は就職活動をしていた。
「鳥取さんはもともと全く異なる企業を志望していましたが、面接を受けるために利用した飛行機でCAの仕事ぶりに心を動かされたことをきっかけに、CA志望になったそうです。
多忙な仕事をこなしながら、ステイ先でもテニスやグルメや地元のコンサートを楽しみ、とにかくバイタリティにあふれた方という印象です。機内での一期一会の出会いを大切にしており、『ちょっと怖そうなお客様がサービスに笑顔を見せてくれると、“この仕事っていいな”と感じる』と話していました」(前出・鳥取氏を知る地元関係者)
コロナ禍でフライトが激減した際は、CAらのモチベーション維持と新たな知見を得させるべく、官公庁や企業などへの出向を進めるという大胆な施策でも注目を集めた。
専務時代、鳥取氏は“多様性を重んじた組織づくり”への考えをこのように語っている。
〈女性の活躍を増やすには、本人が仕事にやりがいを見いだせるかどうかが鍵になります。出産や育児のために休職した後、職場に戻りやすい環境や制度の整備も重要です。
それには、職場の同僚や上司、経営トップの理解が不可欠です。これは女性に限らず、一度退職した社員や、持病や障がいのある社員など、あらゆる社員に共通する課題です〉(2021年11月に掲載された『日経ESG』のインタビューより)
バイタリティあふれる初の女性社長が、日本の空に変革をもたらしそうだ。
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