( 130727 )  2024/01/20 14:36:21  
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19日から15日間で6日間、日経平均が上昇し、2600円以上の上昇があった。

新NISAにより個人投資家が市場に参入したため、過熱感があり、株価の動きが予想できない。

大手証券は上昇余地が大きいとしており、中小型株に注目を向けるべきと指摘されている。

相場格言によれば、押し目待ちに押し目なしとのことだ。

(要約)

( 130729 )  2024/01/20 14:36:21  
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どこまであがる?(C)日刊ゲンダイ 

 

 わけが分からない──。市場関係者がそうつぶやくほど、株式市場は異常な熱気に包まれた。日経平均は大発会(4日)こそ下落したものの、それ以降、15日まで6連騰。この間の上げ幅は2600円を超えている。新NISA(少額投資非課税制度)のスタートで個人投資家が市場に流れ込んだとの見方もあるが、それにしても過熱感はハンパない。いまから投資して大丈夫? 

 

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■大手証券は「この先も上昇余地が大きい」 

 

 乗り遅れた……と思っている個人投資家はいっぱいいる。 

 

「能登半島地震や日航機の炎上などがあり、株式市場も波乱の幕開けでした。まさか、ここまで上昇するとは思いもしませんでした。様子見しているうちに、日経平均はグングン上がり、15日には一時3万6000円をつけました。買うタイミングを完全に逃した感じです」(50代後半のサラリーマン) 

 

 株のプロでさえ、年初からの動きは予想できていない。大和証券のリポート(1月15日号)でも、「良い意味で裏切られる展開となっている。懸念材料として、米景気の鈍化、日銀の金融正常化、その両面による円高進行の3点と見ていたが、いずれも懸念が後退する方向となった」とある。 

 

 野村証券(1月15日号)は、「過去の中長期上昇局面を参考とした場合は、この先も上昇余地が大きい」とした。 

 

 要するに、まだまだ株は上がる可能性が高いということだ。 

 

「ただ、どんな銘柄を買えばいいのか、さっぱり分かりません。優良株はすでにかなり上昇しているし、この先、大きく下落するのではないかという不安を持ちます。高値掴みになりそうで怖い」(前出のサラリーマン) 

 

 気持ちは分かる。そろそろ利益確定の売りが続々と出てきそうな気がしてならない。 

 

■下値めどは3万3500円 

 

 株式評論家の倉多慎之助氏はこう言う。 

 

「今回の上昇相場の主役は海外ファンドと新NISAを利用した個人投資家でしょう。両者とも、短期的な売買で利益を狙う投資家ではありません。どちらかといえば中長期の保有が目的なので、利益確定売りは出にくい状況です。つまり、上昇傾向はしばらく続きます」 

 

 だとしたら、黙って上げ相場を眺めているだけではもったいない。いまからでも遅くはないのだ。 

 

「日経平均の動きから分析すると、当面は3万6500円まで上昇していくと思います。もちろん、悪材料が出てくれば下落します。それでも下値のメドは3万3500円あたり。よっぽどの悪材料でない限り、そのあたりで下げ止まるとみています」(株式アナリストの黒岩泰氏) 

 

 

狙うべき中小型株(C)日刊ゲンダイ 

 

 どんな銘柄を買えばいいのだろう。 

 

「ここまで相場を引っ張ってきたのは日経平均などに採用されている大型株です。まだ上昇していくとは思いますが、いまから参加するなら中小型株に狙いを定めたほうが面白いかもしれません。割安な銘柄はたくさん眠っています」(黒岩泰氏) 

 

 中小型株? 聞いたことはあるけどどうもピンとこない。どうやって見つければいいのか。前出の倉多氏も、これから買うなら中小型株がいいという。 

 

「一般的には時価総額が1000億円以下で小型株、2000億から3000億円程度が中型株です。相場が好調なときは、まず大型株が上昇していきます。大型株の値上がりが一段落すると、次は中小型株の物色に移っていきます。今回も、その流れは変わらないでしょう。参考になりそうなのが、『JPX日経中小型株指数』に採用されている会社です」(倉多慎之助氏) 

 

 この指数は日本経済新聞社と東京証券取引所が共同で開発した指数で、構成銘柄は200社。2016年8月31日を1万として算出を続ける。1月15日(終値)は1万8163円だった。 

 

■上昇の本番はこれから 

 

 中小型なのでなじみの薄い会社も交じっているが、この中に爆騰株が眠っていそうだ。 

 

 たとえば半導体関連のTOWA。1月4日の株価(終値)は6660円で、15日は6870円。上昇率は3.2%だ。商社の兼松は2101円から2227円にアップ。上昇率は6.0%になる。 

 

 日経平均は同期間に7.9%上昇した。中小型株のアップ率は見劣り気味だ。半導体製造装置向けの純水で知られるオルガノは10.6%上昇と日経平均を上回ったが、コメダ珈琲店のコメダHDは1.3%、半導体関連の日本マイクロニクスは4.0%アップにとどまっている。 

 

「中小型株の上昇はこれからが本番というわけです。指数に採用されているとはいえ、どんなビジネスを展開しているのかあまり知らない会社も多いはずです。じっくり研究してみるのもいいかもしれません」(倉多慎之助氏) 

 

 JPX日経中小型株指数の採用銘柄から、比較的指数へのウエート(指数への影響度)が高い100銘柄を〈別表〉にまとめた。上位には名の知れた企業が多いが、「あれ? 何の会社だっけ」というところもある。 

 

■「押し目待ちに押し目なし」 

 

 新NISAで運用するなら世界株式などに投資する投資信託が王道だが、ほんの少しくらいは中小型の“冒険銘柄”を買って夢を見るのも悪くない。 

 

「新NISAばかりが強調されますが、NISAは投資限度額が決まっています。個別銘柄への投資は、一般の証券口座の活用も選択肢のひとつです」(証券アナリスト) 

 

 日経平均の史上最高値は1989年12月の3万8915円。市場関係者の多くは、「その水準は視野に入った」と強気だ。年内4万円も絵空事とはいえなくなってきた。 

 

 相場格言に「押し目待ちに押し目なし」(相場が強いと押し目のチャンスがこない)がある。 

 

「ショック安のような事態になり、下値メドの3万3500円を下回ってくると、その次は2万8500円付近です」(黒岩泰氏) 

 

 さて、そこまで我慢するか。それとも上昇相場の勢いに乗るか。いずれにしろ中小型株に狙いを定めたい。 

 

 

 
 

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