( 131721 ) 2024/01/23 22:11:29 1 00 京都地裁で行われている医師の男性が嘱託殺人の罪に問われる裁判で、男性はALSを患う女性の依頼により殺害したことを認め、「長い間目の前で困っている女性を放っておくことができなかった」と述べた。 |
( 131723 ) 2024/01/23 22:11:29 0 00 大久保愉一被告
5年前、難病のALSを患う女性に依頼され殺害した罪などに問われている医師の男の裁判員裁判は、23日に京都地裁で被告人質問が行われ、男は「長い間、目の前で困っている女性を放っておくことができなかった。知ってしまった以上、何かしなければならないと思い、すぐばれると思ったが覚悟の上でやった」と話しました。
「死なせてしまえという考え方はない」ALS女性の依頼で殺害 被告の医師が安楽死について法廷で持論
医師の大久保愉一被告(45)は、知人の元医師・山本直樹被告(46)とともに、2019年、全身の筋肉が衰える難病・ALSを患う林優里さん(当時51)から依頼を受け、薬物を投与して殺害した嘱託殺人の罪などに問われています。
今月11日の初公判で大久保被告は「起訴状のとおり間違いありません。ただ、私は林さんの願いを叶えるために行ったことです」などと話し、弁護側も「林さんの自己決定権に基づき願いを叶えたと言えるので、嘱託殺人にはあたらない」などと無罪を主張しています。
これに対し検察側は、林さんに死期が迫っていなかったことや、病状を把握せずに犯行に及んでいることなどから「社会的な正当性はない」と指摘しています。
23日の被告人質問で「林さんの願いをかなえるということは、今の日本では犯罪になると分かっていたのになぜしたのか」と問われた大久保被告は、時折涙を見せながら「制度ができるまでの長い間、目の前で困っている林さんを放っておくことができなかった。長い長い議論の末に、こういったこと(安楽死)ができるのかもしれないが、そこまで苦しんでいなさいということは私にはできなかった。知ってしまった以上は何かしなければいけないと思っていた。すぐにばれると思っていましたが、覚悟の上でやったことです」と述べました。
また、林さんが死亡する間際のようすについて、「文字盤を使って、『死なせて』とおっしゃっていて、目に涙を浮かべてうれしそうにされていました。『ありがとう』と(文字盤で)言われました」と話しました。
廷内のイラスト(22日)
大久保被告が開設したとみられるブログには、『高齢者を「枯らす」技術』とタイトルが付けられ、“安楽死”を肯定する内容が度々投稿されていました。
22日に行われた被告人質問では、安楽死について「本人が願ったことなら叶えてあげたい」「長生きが苦痛になっている人へ後ろめたさがある」などと持論を展開した上で、「とにかく死なせてしまえという考え方は私にはない」などと、むやみに人を殺そうという考えはないことを強調しました。
ALSを患っていた林さんは、大久保被告とSNSを通じて知り合い、事件前には、安楽死を望む林さんとのやりとりを行っていました。
(SNSでのやりとり) 林さん「ひとときも耐えられない。安楽死させてください」 大久保被告「訴追されないならお手伝いしたいのですが」 林さん「『お手伝いしたいのですが』という言葉が嬉しくて泣けてきました」
一方、大久保被告は林さんの主治医ではなく、十分な診療もしないまま、出会ってわずか16分で犯行に及び、親族やヘルパーなどの関係者に知らされることなく、胃ろうに薬物を直接注入するという方法で秘密裏に犯行に及んだとみられます。
大久保被告は、山本被告らとともに13年前に山本被告の父親を殺害した罪にも問われていますが、「私はやっていない」と無罪を主張しています。
共犯とされる山本被告も無罪を主張していましたが、京都地裁は、林さんへの嘱託殺人と父親の殺人について、大久保被告との共謀を認定した上で実刑判決を言い渡し、山本被告はいずれの判決も不服として控訴しています。
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