( 132193 )  2024/01/25 00:33:24  
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南麻布の高級寿司店「鮨よし田」でのトラブルがXに投稿され、2.8億もの閲覧数を集めた。

A子さんは店の大将に対し白ワインを置く位置を変えてほしいと頼んだところ、大将に殴られそうになったと主張し、騒動に発展。

店は今も予約がいっぱいで、騒動がきっかけで注目を集めている。

一方で、A子さんには広告収益目当てで騒動を起こしたのではないかとの疑惑があり、X上の情報は信憑性が不明瞭。

Xの収益化プログラムによる収入はまだまだ難しい状況だとされる。

(要約)

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拡散されている寿司店でのワンシーン(Xより) 

 

 港区内の寿司店で勃発した騒動は、まだまだ収束しそうにない。1月19日深夜、南麻布の高級寿司店「鮨よし田」を訪れたという女性・A子さんが店との間に起きたトラブルについてX(旧Twitter)に投稿したところ、当該ポストが反響を呼び、2.8億ものインプレッション(閲覧数)を集めた。 

 

【写真】高級寿司店「鮨よし田」を訪れたという女性・A子さんの顔写真、このほか店を訪れた港区女子と思われる女性らの写真、高級時計がズラリと並んだカウンターの様子などもSNS上で拡散されている 

 

 A子さんの主張によると、同店で大将が他の客から差し入れされた白ワインを目の前に置いたため、「二日酔いで目の前に白ワインがあると気持ち悪くなってしまうので反対側に置いていただけますか?」と頼むと、大将が不機嫌な様子に。退店する際、「こんなお寿司屋さん初めて」とつい口にして大将に殴られそうになったのだという。証拠として、険しい表情で身を乗り出す大将を弟子がしがみついて止めている写真も公開している。 

 

 NEWSポストセブン取材班が1月22日、「鮨よし田」の大将である吉田安孝氏を訪ねたところ、「弁護士さんと話しているので……」と憔悴した様子で語った。 

 

 Googleマップ上のクチコミを荒らされる被害にもあっているが、意外にも店自体は順調な様子だという。「鮨よし田」を何度か訪れたことがあるという40代経営者が明かす。 

 

「もちろん心労はあるでしょうし、殺到する取材依頼への対応も大変だと思います。しかし、騒動が起きた当初はまだまだ予約が取れる状況だったのに、たった数日で1月の予約がいっぱいに。電話をかけてもつながらない状況なのでお店は“満員御礼”といったところでしょうか。2月の営業日も約3分の1がすでに満員になり、客単価5万円はくだらない超高級店なのに驚きの状況です。 

 

 渦中の店ということで有名なインフルエンサーが続々と訪れて、店のレポートを発信したことが大きいと思います。ワインの充実ぶりなどにも注目が集まり、“災い転じて福となす”ではありませんが、今回の騒動をきっかけに『鮨よし田』に興味を持った人は多いはずです」 

 

 ネット上で個人を特定しようとする動きが起きるなど、一方のA子さんも騒動で注目されることに。過去のX上でのポスト内容から、A子さんがラウンジで働く、いわゆる“港区女子”と思われた点がネットユーザーの野次馬根性を刺激してしまったようだ。 

 

 

 ネット上ではA子さんに対して、“広告収益目当てで騒動を起こしたのではないか”という疑惑の目を向ける人もいる。Xの収益分配の仕組みについて、ITジャーナリストの三上洋氏が解説する。 

 

「昨夏よりXで、インプレッション数に応じて広告収益が還元されるプログラムがスタートしました。Xの有料サブスクリプションに登録した上で、『フォロワーが500人以上』や『過去3カ月間の投稿に対するインプレッションが500万件以上』という条件を満たすと、収益化プログラムを利用することができます。 

 

 ただ、本人らの投稿によると、50万人以上のフォロワーを抱える芸能人でさえ収益は数万円という状況です。また、漫画はインプレッション数に繋がりやすいのですが、作品を毎日投稿している人気漫画家でも収益は数十万円だったそうです。 

 

 これはあくまで推測でしかありませんが、2.8億インプレッションというのはすごい数字ではあるものの、今回のバズだけでA子さんが得られる金額は数十万円まではいかないのではないか。Xの収益で稼ぐというのは、まだまだ難しい状況です」 

 

 A子さんがこの「収益化プログラム」を利用しているかは不明だが、彼女とやり取りしたというメッセージの内容(本人は否定)や、トラブルの現場を目撃したという人物の証言など、Xを中心に真偽不明の情報が飛び交っている。三上氏は、「収益化プログラムが導入されてから、Xは殺伐としてしまった」と嘆く。 

 

「インプレッション数を目当てに、話題の出来事に便乗して嘘の情報を発信する人たちもいます。今回の騒動に限らず、X上の情報をなんでも鵜呑みにするのは危険です」(三上氏) 

 

 ある意味、“今のX”を象徴するような騒動と言えるのかもしれない。 

 

 

 
 

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