( 132652 )  2024/01/26 14:03:14  
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2024年1月に発生した能登半島地震による経済的影響が政府により明らかにされた。

石川、富山、新潟の3県で1.1兆~2.6兆円に及ぶと推定され、主な被害は建築物と社会資本に起きた。

特に石川県では過去の耐震基準に基づく木造住宅の比率が高く、被害が拡大した。

政府はこれを「暫定的な試算」と位置づけ、今後の改定を行うとしている。

能登半島地震の影響により景気は緩やかに回復しているものの、生活インフラや工業生産への懸念から、引き続き被害を留意する必要があるとされた。

(要約)

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雪が降り積もった能登半島地震の被災地=石川県七尾市で2024年1月24日午前8時51分、長谷川直亮撮影 

 

 政府は25日発表した1月の月例経済報告で、能登半島地震による経済的な影響が石川、富山、新潟の3県で1・1兆~2・6兆円におよぶとの推計を明らかにした。 

 

【写真】家が…自宅前でぼうぜんとする女性 

 

 被害額の内訳は、住宅や公共施設といった「建築物」の全半壊などで0・6兆~1・3兆円、道路や港湾、農林水産業インフラなどの「社会資本」で0・5兆~1・3兆円と試算した。県別でみると、最大被害額は石川が1・3兆円、富山が0・5兆円、新潟が0・9兆円と推計した。 

 

 熊本地震など過去の災害でのデータや建築物の損壊率、震度をもとに見積もった。石川県では新耐震基準適用前の1980年以前に建築された木造住宅が多く、被害が拡大した。旧耐震基準の木造住宅率は全国平均が17%なのに対し、石川県珠洲市では66%、能登町が61%――などと高い比率になっていた。 

 

 政府は今回の推計について、被害額を積み上げたものではなく、「暫定的な試算」と位置づけており、今後も必要に応じて改定を行っていくという。 

 

 月例経済報告は国内の景気について「このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している」との判断を維持した。3カ月連続で同じ表現としたが、先行きは能登半島地震の影響を「十分留意する必要がある」と付記した。生活インフラの被害に加え、観光業のほか、電子部品や半導体など工業生産への影響が懸念され、他の地域にも波及する可能性があるためだ。 

 

 足元では、輸出に「持ち直しの動きに足踏みがみられる」として判断を下方修正した。ドイツを中心に欧州向けの輸出が落ち込んだことが影響した。個人消費は、物価上昇が落ち着きを見せ、外食需要が緩やかに増加していることなどから「持ち直している」と判断を据え置いた。【藤渕志保】 

 

 

 
 

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