( 133161 )  2024/01/27 22:57:46  
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自民党派閥の政治資金パーティー収入裏金事件の衝撃の中、政治改革国会が始まった。

透明な政治資金規正法改正を実現できるかが焦点で、野党は攻勢を強めつつある。

岸田首相は国民の信頼回復に努める考えを示し、野党は裏金問題を抱える議員の更迭を迫っている。

政府は2024年度予算案の年度内成立を目指しているが、裏金問題が影響を与える可能性がある。

(要約)

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閣議に臨む岸田文雄首相(中央)=26日午前、首相官邸 

 

 自民党派閥の政治資金パーティー収入裏金事件の衝撃が続く中、「政治改革国会」が始まった。 

 

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 裏金問題の解明に加え、政治資金の透明化に向けた政治資金規正法改正を実現できるかが焦点。これまでにない逆風を受ける岸田政権は態勢立て直しの糸口をつかみたい考え。野党は早くも攻勢を強めており、各党の駆け引きが激化しそうだ。 

 

 「強い覚悟を持って国会に臨む」。岸田文雄首相(自民総裁)は26日の両院議員総会で、国民の信頼回復に全力を挙げる考えを表明。立憲民主党の泉健太代表は記者団に「裏金をつくり続けてきた議員に国会から退場してもらう」と宣言した。 

 

 「令和のリクルート事件」とも言われる裏金事件に野党は勢いづく。政府4演説は国会召集日に行う慣例だが、立民は「政治とカネ」問題をテーマとした予算委員会の集中審議を優先するよう要求。与党は応ぜざるを得ず、集中審議を29日に実施し、4演説を30日に先送りする異例の日程となった。自民関係者は「出だしから野党にけんかは売れない」と語った。 

 

 野党は裏金問題を抱える自民議員を衆参両院の常任・特別委員長のポストから「更迭」することも迫り、自民は14ポストを入れ替えざるを得なかった。野党は各委員会の日程などを話し合う理事からも、問題を抱える自民議員を排除するよう圧力をかけている。 

 

 野党は事件の全容解明に向け、首相や関係議員が説明責任を果たすよう主張。立民の安住淳国対委員長は26日の与野党国対委員長会談で「首相からまず全容を報告してもらわないと(予算案を)議論できない」とけん制した。29日の集中審議での首相の発言に注目が集まる。 

 

 共産党の田村智子委員長は26日の党会合で「裏金づくりに関与した全員の証人喚問を行う」と強調。国民民主党の玉木雄一郎代表も「政治倫理審査会を求める」と語った。政府・与党は2024年度予算案の年度内成立を目指すが、自民内からは既に「日程が窮屈」(幹部)と懸念が漏れている。 

 

 ◇規正法改正は難航も 

 予算案成立にめどが付けば規正法改正に向けた与野党協議に焦点が移る見通し。自民は25日に決定した政治改革の「中間取りまとめ」で「必要な法整備を速やかに行う」と記したが、具体的な改正案には触れなかった。与野党協議では(1)パーティー券購入者の公開範囲拡大(2)連座制導入を含む罰則強化―を検討する方向で調整している。 

 

 立民、共産、国民各党は企業・団体献金の禁止を主張。使途公表を求められない「政策活動費」見直しでは公明党も足並みをそろえる。いずれも自民は「政治活動を制約する」として後ろ向きだ。 

 

 日本維新の会の馬場伸幸代表は26日の党会合で自民の中間取りまとめについて「国民をなめている」と批判した。衆院解散・総選挙もにらんだ各党の思惑が入り乱れ、協議は難航必至とみられる。  

 

 

 
 

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