( 136478 ) 2024/02/06 13:54:57 0 00 3メガ銀は順調に利益を積み増している
(ブルームバーグ): 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など3メガ銀行グループの2023年10-12月期(第3四半期)の連結決算が5日、出そろった。9カ月累積ベースでの純利益は全社が過去最高を更新した。旺盛な資金需要に加え、円安による海外収益の押し上げ効果もあり、順調に利益を積み上げた。
3社の第3四半期までの累計純利益の合計は前年同期比65%増の2兆7330億円だった。通期計画に対する進捗(しんちょく)率は、MUFGが100%弱、三井住友フィナンシャルグループ(FG)が86%、みずほフィナンシャルグループが100%強となった。
高い進捗(しんちょく)率にもかかわらず、3社とも通期の純利益計画は据え置いた。「第4四半期に与信関係費用や債券ポートフォリオの再構築費用が計上される可能性がある」とJPモルガン証券の矢野貴裕アナリストらは1月18日付のリポートで指摘した。
それでも、MUFGと三井住友FGが会社計画を達成すれば通期ベースでの最高益更新となる。さらに、日本銀行が今春にもマイナス金利政策を解除すれば、3メガ銀グループにとっては来期業績を押し上げる要因にもなる。
好業績の主な要因の一つに、本業である貸出業務の収益増加がある。取引先は大企業を中心に業績が好調で、設備投資や企業の合併・買収(M&A)などの資金需要が旺盛なためだ。海外を中心に利ざやが改善していることも追い風となっている。
みずほFGでは、第3四半期までの海外の預貸金利回り差が1.43%となり、前年同期比0.27ポイント拡大した。MUFG、三井住友FGも同様の傾向にある。
一方、通期の純利益計画を修正しない理由について、9カ月累計額が既に計画値を上回ったみずほFGでは不透明な事業環境が続いているためと説明。緊張感を増す中東情勢や長期化するロシアのウクライナ侵攻など地政学リスクが国際経済に与える影響のほか、米金融政策など大手邦銀を取り巻く収益環境は不透明だ。
米商業用不動産の市況悪化があおぞら銀行など日米の一部銀行の業績を圧迫しているが、アナリストの間ではその他の銀行の収益への影響は限定的との見方が多い。
3メガ銀などは、米オフィス向け融資の全体に占める割合が比較的小さい。金融機関のモニタリングを担当する金融庁の屋敷利紀審議官も「あおぞら銀は特殊例」との認識を示している。
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Hideki Suzuki
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