( 136516 )  2024/02/06 14:28:46  
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日経平均株価は今年に入って値上がり傾向が続き、1月の上げ幅はおよそ2800円となった。

経済アナリストの森永康平氏によると、株価上昇の要因は、円安による大企業の業績上昇やデフレ克服への期待、また中国の株式市場低迷によるアジアへの投資先としての日本選択などが挙げられる。

新NISAの影響は限定的で、株価が最高値を更新しているが、過去のバブルとは異なる社会状況や企業業績を考慮する必要がある。

投資を考える際は、世界に投資する投資信託を選ぶことがリスク管理に有効だという。

株式投資にはリスクが伴い、長期投資を考える際は適切な心構えが必要だ。

(要約)

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日経平均株価終値 

 

 今年に入り、値上がり傾向が続いている株価。1月の上げ幅はおよそ2800円となった。 

 

【映像】森永康平氏に聞く「ドカンと下がる日」への備え方 

 

「日経平均株価4万円台も視野に入ってきた」という声もあるが、今後の見通しについて経済アナリストの森永康平氏に聞いた。  

 

━━株価上昇の要因はどこにあるのか? 

 

「まず、昨年から円安で特に輸出で稼いでいる大企業の業績はかなり上がっており、海外投資家からの評価も高まっている。もう一つは『ついに日本がデフレを脱却するのでは』という期待感。さらに別の観点として、海外の投資家は広く世界を見ているため、中国の株式市場が低迷している今、アジアへの投資先として日本が選ばれている。このように、様々な要因が株価全体を押し上げている」 

 

━━今年から始まった新NISAの影響は? 

 

「全くないということはないが、新NISAのお金はそこまで日本に入ってきていない。なぜなら日本の個人投資家のほとんどはアメリカ株か世界中の株に投資する投資信託のどちらかを選んでおり、足元の株高を見て、日本の株を選ぶ人が少しいる程度。外国人の買いを日本の個人投資家が少し支えている程度ではないか」 

 

森永康平氏 

 

━━株価がバブル期の史上最高値3万8957円を更新し、4万円台も…という声もあるが。 

 

「数字だけを見てバブル期の水準に近くなったから、『これはバブルなのではないか』という人もいるが、冷静になったほうが良い。1989年と今はそもそも経済の仕組みが違う。わかりやすく言うと、当時はインターネットもスマホもなく、今と全く異なる社会だった。株が割高かどうかを見る指標の一つに株価収益率=PERがあるが、日経平均は異常値を除くと、この20年くらいは上限が16倍程度。今が15.8とか15.9倍なので確かにPERで見るといよいよ上限に来ているという気がする。しかし、この数字は業績が良くなると変わる。3月末の決算で企業が来年度に15%程度増益する予想が立てられればPERが16倍くらい、株価4万円くらいになる。つまり業績がこれから拡大するのであれば、4万円がバブルだとは思わない。一方、バブルの時は50倍を超えていたので、今でいえば5万円を超えるような株価だった」 

 

 

━━株価の上昇を見て「今から日本株を買おう」と行動に移すのは遅いのか? 

 

「今から買っても遅くないとは思うが、できるなら日本だけに投資するのではなく、日本も含めた世界に投資するような投資信託を購入した方がリスクは抑えられるだろう」 

 

━━これから新たに株を始める人へのアドバイスは? 

 

「いつかはわからないが今後、間違いなく株価がドカンと下がる瞬間は来る。だからこそ、一度株を始めたら一喜一憂することなく、放置して『投資なんてしてたっけ?』というくらいの心持ちで定額で買い続けた方がいい。長期投資の場合、最低でも20年のスパンで考えるべきであり、長く続けるためにも適度に気にするぐらいがちょうどいい」 

 

 投資は購入時より値下がりし、元本割れするリスクもある。結局は、無理のない範囲の余剰資金で行うことが、下がっても気にせず、利益が出るまで長く続けられるコツといえそうだ。 

(『ABEMAヒルズ』より) 

 

 

 
 

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