( 137141 )  2024/02/08 13:55:04  
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サントリーホールディングスは、東京にある社員食堂でノンアルコール飲料を提供しており、商談の際にも利用できるようにしている。

ノンアルコール飲料の提供は、自社製品との接点を増やし、社内交流を促進するための施策の一環である。

また、田町オフィスでは平均して1日400〜500人が利用し、将来の目標は600人で、メニューの拡充も検討している。

これにより、サントリーのノンアルコール飲料は、商談を盛り上げたり、社員食堂に彩を添えたりするアイテムとして活用されている。

(要約)

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サントリーの社員食堂を取材した 

 

 サントリーホールディングス(HD)が、東京都内にある社員食堂でノンアルコール飲料を提供している。商談のためにオフィスを訪れた人に対しても、ペットボトルの水やお茶だけでなく、ノンアル飲料を飲めるようにしている。その狙いについて、同社総務部の町谷賢広氏に話を聞いた。 

 

【画像】社員や訪問客が飲むノンアル飲料、おしゃれすぎる社員食堂、社員食堂のメニュー(全10枚) 

 

 ノンアル飲料を提供している社員食堂「CAFE HARBOR」があるのは、同社の田町オフィス(東京都港区)だ。2021年4月、さまざまなグループ企業が田町ステーションタワーに入居。新オフィスオープンに合わせて、社員食堂も稼働を開始した。 

 

 HARBORを訪問してみると、冷蔵ケースの中に「のんある晩酌 レモンサワー」「オールフリー」「ノンアルでワインの休日〈赤〉」がずらりと並んでいた。冷蔵ケースには「ノンアルだって、乾杯だ。サントリーのノンアル」というポップが付いている。ノンアルを積極的に推奨している雰囲気が伝わってきた。 

 

 メニューを注文するタッチパネルを見ると、いずれも価格は200円となっているのが確認できた。 

 

 商談スペース入口の冷蔵ケースには、サントリーのお茶、水、コーヒー、ジュースと一緒に10種類以上のノンアル飲料がある。こちらには「ノンアルでOMOROIアイデアを生み出そう!」というポップが付いていた。リラックスした雰囲気で、会議を盛り上げようという意気込みが感じられる。 

 

 実際、どのくらいノンアル飲料が飲まれているのだろうか。田町オフィス11階全体で、ノンアル製品が1カ月で約700本消費されることもあるという(夏場のケース)。清涼飲料とノンアル飲料の割合では、後者が14%超に達することもあるのだとか。 

 

 商談中だけでなく、商談後にノンアル飲料で乾杯するシーンは珍しくない。また、仕事をしながらノンアル飲料を楽しむ社員もいる。 

 

 ちなみに、都内にある別のオフィス(お台場)でも、商談の場ではノンアル飲料を出していた。ただ、社員食堂でも提供するようになったのは、田町オフィスが初めてだという。 

 

 

 そもそも、なぜ同社ではノンアル飲料を提供するようになったのだろうか。 

 

 大きな狙いの1つは、ランチ、会議、商談といった場で提供することで、製品との接点を増やすことだ。 

 

 商談では、両者が緊張していることがある。そんな時、ノンアル飲料で乾杯すると場を和ませる効果が見込めると町谷氏は説明する。 

 

 自社製品に対する認知度を上げる施策の一環として、お茶やコーヒーなどと一緒にノンアル飲料を提供しているという側面もある。各社員は、自分が取り扱っている製品のことは熟知しているが、他の製品に関する最新動向を把握しきれていないケースがある。自然と目につく場所に置くことで「あ、パッケージが変わったな」「新製品が出たのか」といったことを気づいてもらいたいと考えている。 

 

 田町オフィスでは約3200人のグループ社員が働いている。HARBORでは、会社や部署を超えた社員の交流を促進するために、さまざまな施策を実施している。 

 

 例えば、イベントスペースとしても使えるようにしている。スペースが3つのエリアに分かれており、それぞれにスクリーンを設置。夜になってから、ウイスキーの歴史を学んだり、睡眠の質を高めるような勉強会を実施したりしているという。 

 

 また、コンセントが利用できるテーブルを設置しており、社員が自分の好きなペースで仕事ができるようにしている(もちろん、各自の机や会議室でも仕事ができる)。HARBORの席数は230で、立食イベント時には約400人程度が利用できるようになっている。 

 

 町谷氏は「第3のワーキングスペースとして活用してもらっています」と説明する。 

 

 HARBORはグループ会社のプロントが運営している。プロントではパスタが主力メニューとなっているが、HARBORでもよく注文されるという。 

 

 取材でHARBORを訪れた際、提供メニューを確認すると「本格煮込みカレー」(550円)、「ローストビーフのサラダごはん」(650円)、「月見うどん」(450円)といったメニューが確認できた(いずれも普通盛り)。その他、コーヒーやデザートも用意している。期間限定メニューとしては、サントリーの創業者に由来した「信治郎が通った屋台の“うろん”(きつねうどん)」(300円)が提供されていた。 

 

 社員食堂としてのHARBORは、平均して1日当たり400~500人が利用している。町谷氏によると、24年度は600人に増やすのが目標だという。これまでは、運営体制の制約があってメニューの品ぞろえを拡充できなかった。ただ、今後はオペレーションを工夫するなどして、定食も出していきたいと意気込む。 

 

 このように、サントリーのノンアル飲料は、商談を盛り上げたり、社員食堂に彩を添えたりするアイテムとして活用されている。 

 

ITmedia ビジネスオンライン 

 

 

 
 

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