( 138228 ) 2024/02/11 22:36:18 0 00 衆院予算委員会に臨む岸田文雄首相=9日午後、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)
衆院予算委員会は14日、政治資金問題などをテーマに岸田文雄首相が出席して集中審議を行う。自民党の派閥パーティー収入不記載事件を受けた「政治改革国会」といわれながら、これまでの国会論戦では進展がみられない。首相が主要な論点について、事実上の「ゼロ回答」を繰り返しているためだ。今後も具体策を示せなければ、「政治とカネ」を巡る国民の不信を払拭することは難しい。
■改革案に対する首相答弁「様式美」
「毎回、原稿を読まずに同じ答弁をしている。すごいことだが、逆に、全く進んでいないのだな、と思う」
9日の衆院予算委で日本維新の会の小野泰輔氏は首相をこう皮肉った。小野氏が企業・団体献金禁止と調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開を求め、首相が「全党共通のルールに基づいて対応すべきだ。自民党も議論に貢献する」と答弁した際のことだ。
予算委では改革案に対して首相が同様の発言で締めるのが様式美のようになっている。焦点の政治資金規正法改正の自民案がまだ決まっていないことが背景にある。不記載問題の実態解明や議員の処分についても、党による聴取の結果公表が連休明け以降となるため、首相は「手順を踏む」といった答弁に終始した。
■5年で50億円…二階氏に照準
使途が公開されていない政策活動費に関しては、野党は5年間で約50億円を受け取った自民の二階俊博元幹事長に狙いを定めている。使い残しがあれば「脱税」に当たるとして、二階氏に使途を確認するよう求めたが、首相は「確認するまでもなく適切に使用されている」と拒否した。
企業・団体献金について野党は「金の力で政治がゆがめられる」(立憲民主党の長妻昭政調会長)と禁止を要求。首相は「企業は寄付の自由がある」と反論した。自民党内にも「献金を禁じれば、金持ちか世襲しか国会議員になれなくなる」(閣僚経験者)との声は少なくない。
世襲も長年の論点だ。政治団体の政治資金を非課税で引き継げるため不公平だといわれる。立民の湯原俊二氏は7日の衆院予算委で自民衆院議員の3分の1が3親等以内から引き継いでいると指摘した。自身も世襲の首相は「誰を政治団体の代表者にするのかは、個々の団体が判断することだ」と述べた。(沢田大典)
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