( 138416 )  2024/02/12 13:40:07  
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2025年の大阪・関西万博の建設現場から、開催準備における過酷な労働状況に対する懸念が表明されている。

万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」でありながら、現場では過労や労働災害のリスクが高まっているとされている。

建設関係者は、万博の開催延期を望んでおり、現在の準備状況では安全が確保されていないと主張している。

(要約)

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テーマに逆行(C)共同通信社 

 

「強行開催へ突っ走ったら、労働災害が多発する」──。能登半島地震発生後も岸田首相が「延期も中止もない」と断言する2025大阪・関西万博をめぐり、会場建設を担う現場から、そんな悲鳴が上がっている。万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げているが、命を削っているのが実態だ。 

 

JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」(2021年) 

 

 9日の衆院予算委員会で、岸田首相は万博の意義について「わが国の各地方が誇る安全・安心な農林水産物や食文化を国の内外にアピールする絶好の機会だと認識している」と答弁。現場の実情を知っているのか? アピールうんぬんの前に強行開催への懸念に耳を傾けてほしい。 

 

 パビリオン設計を担当する1級建築士は「万博反対の論陣を張るつもりはないが」と前置きしつつ、こう明かす。 

 

「私が聞く限り、周囲の設計・施工関係者は、おしなべて開催延期を望んでいます。来年4月開催に向けて無理をしても、得るものは何もない。自前でパビリオンを用意する国は約60カ国あり、今から着工してギリギリ間に合うかどうかなのに、着工に必要な詳細設計が完成しているのは半分以下。3分の1は設計にすらこぎつけていません。海外パビリオンは各国の設計担当者が作成したものを日本の建築基準などに合わせて作り直す必要があり、どうしても準備に時間を要する。タイトな日程を強いられる中、すでに設計関係者も施工関係者も夜通し作業を余儀なくされており、多大なストレスを抱えている惨状です」 

 

 4月から建設業にも時間外労働の上限規制が課されるが、すでに現場関係者は疲労困憊。工期の遅れと差し迫る残業規制の板挟みに陥っている。 

 

「少なくとも半年は開催を延期してほしい。このままでは会場建設に携わる人員の事故や自殺につながる恐れがあると危惧しています。4月から各種パビリオンの本格着工が予定されていますが、会場の夢洲は搬入・搬出用の車道が片側1車線に限られるばかりか、上下水道・電気などのインフラも整っていない。どう考えても異常です」(前出の1級建築士) 

 

 東京五輪の準備では、過労自殺を含め建設現場の作業員4人が亡くなった。万博でも同じ悲劇を繰り返すのか。 

 

 

 
 

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