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2023年末に公開されたホンダのコンパクトSUV、WR-Vは約210万円からの価格設定でお買い得感があり、日本市場で注目を集めている。

ホンダはローカル市場とグローバル市場の違いに悩んでおり、待望のWR-Vは日本市場向けに研究されたコンパクトで手頃な価格が魅力だ。

開発拠点がタイで、生産拠点がインドというグローバルリソースを活用し、品質も高く評価されている。

走りのクオリティも高く、ホンダセンシングや後付けパーキングアシストなど最新の装備も備えている。

WR-Vは日本市場においてホンダの新たな救世主となる可能性を秘めている。

(要約)

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ベストカーWeb 

 

 2023年末に公開されたコンパクトSUVのホンダ WR-V。約210万円からというお買い得感爆上がりの価格設定となった。ホンダの稼ぎ頭といえば軽自動車のN-BOXがあるが、登録車でも目玉が欲しかったホンダの救世主となるか!? 

 

【画像ギャラリー】ホンダのホンキが見えてきた!!高価じゃないけど安っぽくないコンパクトSUV・ホンダ WR-V(30枚) 

 

※本稿は2023年12月のものです 

文/鈴木直也、写真/HONDA、ベストカー編集部、撮影/平野 学 

初出:『ベストカー』2024年1月26日号 

 

 自動車メーカーがグローバル化すると、悩ましいのは自国ローカルの市場とグローバル市場のギャップ。要するに、売れセンのクルマがローカルとグローバルでは異なる、という問題だ。 

 

 ホンダは日本の自動車メーカーの中でもっとも早く海外展開した会社だけに、そのヒズミは年々拡大するばかり。 

 

 北米や中国では大型セダンやSUVが売れているけど、日本市場はずーっと軽自動車のN-BOXが稼ぎ頭。本来販売の中核を担うべきフィットの意外な不振なども手伝って、中間を埋める車種が手薄になって久しかった。 

 

 しかし、待たされた甲斐はあったと言っていい。待望のニューモデルWR-Vに試乗してみて、「コイツは日本のマーケットをよーく研究してるぞ!」と感心することしきり。少なくとも、販売の現場がいちばん待ち望んだ商品となっているのは間違いない。 

 

 まず、狙ったターゲットが的確だ。世界的にSUVが多数派となって久しいが、日本市場はただSUVであるだけではダメで、やや小さめでお手軽価格という条件がつく。 

 

 そういう意味で、全長4325mm、全幅1790mmの車格感で約210万~250万円という価格設定はどストライク。これまでのホンダ車に欠けていた「お買い得感」がすごくある。 

 

 サイズ感としては全長はヴェゼルとほぼ同じ。ZR-Vよりは245mm短く、キックスやヤリスクロスよりも大きい。フロントマスクにボリューム感があり、実際のサイズよりも"立派"な佇まいで、存在感がある。 

 

 

 もちろん、コストダウンは自動車メーカーにとってもっとも難しいテーマだから、ここは大いにアタマを絞っている。 

 

 開発拠点はタイ、生産拠点はインドと、ホンダのグローバルリソースをフル活用。実走テストもタイのテストコースで走り込んで仕上げたという。 

 

 この堂々たるスタイリングのSUVが、N-BOX並みのエントリー価格で手に入るというのはなかなかインパクト大。販売の現場は大いに活気づいているに違いない。 

 

 一方、インド生産というと「品質は?」という懸念を持つ人もいるかもしれないが、この点もむしろ「予想以上にグッド」と評価できる。今や、生産国がどこかということは気にする問題じゃないと確信した。 

 

 さすがに最廉価版の"X"は鉄チンホイールなど質素だが、その上の"Z"なら17インチアルミホイールをはじめとして装備類には基本的に不足なし。内外装のクオリティについても、ロッキー/ライズを上回る水準にある。 

 

 さらなるサプライズは、走りのクオリティが予想以上に高いことだ。 

 

 パワーユニットは何の変哲もない1.5L(118ps/14.5kgm)純ガソリンエンジンとCVTの組み合わせだが、活気ある吹け上がりフィールと巧みなCVT制御が相まって「やっぱしホンダのエンジンはイイね!」と言いたい爽快感がある。 

 

 ハンドリングについてもしかり。まず感心するのは電動パワステ(EPS)の操舵感が上質なことで、ここはロッキー/ライズの弱点だっただけに優位性を実感する。 

 

 乗り心地と操安のバランスも、お手本どおりの優等生だ。早いステア操作で左右に揺さぶってもボディ上屋は必要以上にグラつかず、後輪のグリップ感が怪しくなることもない。 

 

 普通に走れば基本はマイルドで安全志向のハンドリングだが、緊急回避時のフットワークやスタビリティにもバランスよく目配りされたセッティングと評価できる。 

 

 日本の自動車メーカーは日本市場で頑張ることでブランド価値が高まるというのがぼくの持論。「やればできるじゃん、ホンダ!」とエールを送りたいと思います。 

 

 

 ●ホンダセンシングは最新バージョン 

 

 ホンダセンシングはフロント単眼ワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーを使用した最新バージョンを全モデルに標準装備。衝突軽減ブレーキ、歩行者事故低減ブレーキ、ACCなどの機能を有する。 

 

 ●後付けパーキングアシスト……これ、メチャ使えます! 

 

 ホンダ純正アフターパーツを開発するホンダアクセスの「リアカメラdeあんしんプラス4」は、標準装着のリアカメラを活用し、画像解析技術によって後退駐車サポート機能を実現。このほか後方死角サポート機能などもあり、実用的だ。 

 

 ●ホンダ WR-V(Z)主要諸元 

・全長:4325mm 

・全幅:1790mm 

・全高:1650mm 

・ホイールベース:2650mm 

・最低地上高:195mm 

・最小回転半径:5.2m 

・車両重量:1230kg 

・パワーユニット:直列4気筒DOHC 

・総排気量:1496cc 

・最高出力:118ps/6600rpm 

・最大トルク:14.5kgm/4300rpm 

・モーター出力/トルク:― 

・トランスミッション:CVT 

・WLTCモード燃費:16.2km/L 

・Fサスペンション:ストラット 

・Rサスペンション:トーションビーム 

・タイヤサイズ:215/55R17 

・車両価格:234万9600円 

 

 

 
 

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