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能登半島地震で被災した石川県輪島市門前町の谷内和田地区の住民12人が、倒壊を免れた空き家に自主避難している。

避難生活は1カ月以上続き、再起を目指して結束し、自炊して食事をとりながら暮らしている。

地区内の農地に仮設住宅を建てるよう市に要望しているが、計画は進んでいない。

住民たちは励まし合いながら避難生活を過ごしている。

(要約)

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夕方、たき火を囲み食事する谷内和田地区の住民たち=2024年2月11日午後5時2分、石川県輪島市門前町、田辺拓也撮影 

 

 能登半島地震で被災した石川県輪島市門前町の谷内和田(やちわだ)地区の住民12人が、倒壊を免れた空き家に自主避難している。避難生活は1カ月以上続くが、「どこにも行かんことに決めた」と住民たちは結束し、生まれ育った土地での再起を目指している。 

 

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 山あいにある同地区では25世帯が暮らしていた。今回の地震では、ほとんどの家屋が傾き、崩れた。地震直後は60人ほどが避難生活を余儀なくされた。現在の住人は20代から90代で、大半を高齢者が占める。 

 

 区長の高崎覚さん(69)によると、住民たちは1月2日、地区の中心部にある被害を免れた家屋で避難生活をはじめた。2007年の地震で倒壊した家屋の後に建てられ、空き家になっていたという。今回の地震後、家主が家と車庫を開放した。 

 

 住民たちは地区内の農地に仮設住宅を建てるよう市に要望している。しかし、土地や地盤の問題などもあり計画は進まない。 

 

 それでも、区長の覚さんの表情は明るい。 

 

 「最初は1カ月もおれんぞってみんなで話していた。でも、暮らしてみれば、もめ事もストレスもなく暮らせている。なんとか、やっています」 

 

 住民たちは朝昼晩の3食を自炊して食べている。畑から持ち寄ったホウレン草、白菜、ニンジンなどの野菜を、支援でもらった食材と合わせて料理する。断水は続くが、住民たちは交代で給水所へ調理用の水をくみに行ったり、山のわき水で洗濯したりと、やりくりしている。 

 

 最高齢の高崎きくえさん(92)は気心が知れている住民どうしでの生活は安心という。 

 

 「昔から、田んぼ行こうが畑に行こうが、『おはよう』『おやすみ』って声かけあってたから、仲がいいんよ」 

 

 きくえさんらは「みんなでおろうね」「元気でいようね」と励まし合いながら避難生活を過ごしているという。 

 

 「いつになるか分からんけども、仮設が建つまで、ここでがんばります」(田辺拓也) 

 

朝日新聞社 

 

 

 
 

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