( 138916 )  2024/02/13 23:28:00  
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パチンコ店での景品交換について、東京都の多くの店舗で特殊景品の最低買取価格が2000円に変更となりました。

これは金相場の高騰による改定で、金地金の買取価格が増額されたためです。

この変更により、余り玉問題が発生する可能性が高まり、ユーザーに影響を及ぼしました。

一部の店舗では、特殊景品の交換単位が500円に変更される予定で、これにより余り玉問題が解消される見込みです。

(要約)

( 138918 )  2024/02/13 23:28:00  
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余り玉を何に交換するべきか…(イメージ) 

 

 パチンコ・パチスロで獲得した出玉を“換金”するには、パチンコ店で出玉を特殊景品と呼ばれる景品に交換し、それを店外にある景品交換所に買い取ってもらう「三店方式」が採用されている。特殊景品の買取価格は店舗や地域によって異なるが、「1000円単位」「500円単位」「200円単位」となっていることが多い。そんななか、2023年12月より東京都の多くのパチンコ店において、特殊景品の買取価格が改定され、換金できる最低単位が「2000円」となった。 

 

【写真】パチンコの特殊景品。金景品だけでは「余り玉問題」がユーザーを悩ませることに 

 

 東京都での特殊景品の買取価格が改定された背景には、金相場の高騰がある。 

 

 東京都のほぼすべてのパチンコ店においては、東京商業流通組合に加盟している卸売業者が特殊景品を卸し、同組合の買取部門である東京ユニオンサーキュレーション株式会社(TUC)が、特殊景品の買い取りを行っている。 

 

 東京商業流通組合が扱う特殊景品は「金地金」、つまり実際に「金」を使用しており、その種類は「1g金賞品」「0.3g金賞品」「0.1g金賞品」の3種類。2023年12月5日までは、「1g金賞品」が9000円、「0.3g金賞品」が4000円、「0.1g金賞品」が1000円で買い取っていたが、金相場の高騰に伴い、その買取価格も改定された。その結果、2023年12月6日以降は、「0.3g金賞品」が6000円、「0.1g金賞品」が2000円で買い取られるようになった。また、パチンコ店の景品として提供できる物品の価格には上限があり、「1g金賞品」についてはその上限を超えてしまうということで多くのパチンコ店で取り扱いをやめている。 

 

 都内のパチンコ店での特殊景品の最低買取価格が2000円となった状況について、パチンコ業界に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。 

 

「金が値上がりしたことで特殊景品の価値も上がり、SNSでは特殊景品をTUCよりも高く買い取ろうとするアカウントもいくつかあったようです。TUCでの買取価格改定は必要な措置だったと言えるでしょう」 

 

 

 出玉を特殊景品に交換する場合、交換できる最低単位未満の出玉は“余り玉”となり、ジュース、お菓子、タバコなどのほかの景品と交換するか、パチンコ店の会員カードを作って“貯玉・貯メダル”をすることなる。 

 

 200円単位で交換できるパチンコ店であれば、余り玉もジュース1本分くらいで済むので、それほど気にならないが、2000円単位でしか交換できないとなると、かなり多くの余り玉が発生する可能性もある。そのパチンコ店の会員になっていないユーザーにとっては、予期せぬ余り玉が出てしまった場合“それほどほしくない景品”と交換しなくてはならないこともありうるのだ。 

 

「東京都以外の地域では、基本的に500円単位、もしくは200円単位で交換していることが多い。東京都も以前は『0.3g金賞品』が2500円で買取されていたので、2500円以上の出玉であれば500円単位で交換できていました。 

 

 しかし、2022年3月に『0.3g金賞品』の買取価格が3000円になり、さらに4月には4000円となって、交換が1000円単位になっていたんです。そもそも東京都は他の地域に比べて、余り玉が出やすい状況だったなかで、さらに今回2000円単位になったわけですから、ユーザーへの影響も少なくない。これを機に通っているホールの会員になったというユーザーもいるでしょう」(藤井氏) 

 

 東京都に住む会社員のAさん(40代男性)は、特殊景品の買取価格が変わったことを知らないままパチンコを楽しみ、まさかの大量の余り玉に困惑したという。 

 

「月に1回くらいの頻度でパチンコを打つんですが、正月休みで暇だったときに、近所のホールに行きました。1万円ほど使ってRUSHを引いて、それなりに出玉を確保したので、交換しようと思ったら、1500円分くらいの余り玉が出たんです。そのお店の会員ではなかったので、エナジードリンクを数本とお菓子、カップ麺などに交換しました。 

 

 まさか交換が2000円単位になっているなんて、想像もしていませんでした。私が喫煙者ならタバコにでも交換したんですが、吸わないので、それもできず結構な量のお菓子とドリンクを持ち帰る羽目になりました」(Aさん) 

 

 

 しかし、この状況も今年の4月以降は解消されそうだ。 

 

 東京都遊技業協同組合は2023年9月27日に行われた定例理事会で、「1g銀賞品」を導入することを報告している。この「1g銀賞品」は500円で流通され、2024年4月に都内のパチンコ・パチスロ店で導入される予定だ。  

 

「2000円単位から、1000円単位を超えて500円単位になることで、都内の“余り玉問題”はひとまず解消されると思います。これまでは、都内のパチンコファンでも、1000円単位の交換である東京都内の店舗を避けて、500円単位の他県に遠征するユーザーも少なくなかったと言われています。今回500円単位になることで、都内で打ちやすくなるのは間違いないです。 

 

 また、最近はパチンコ玉を使わない『スマパチ』やメダルを使わない『スマスロ』も増えていて、獲得した出玉数をユーザーが把握しながら遊技しやすくなっています。その店の“交換率”を知っていれば、余り玉を少なく抑えるように、遊技を止めるタイミングを見計らうこともできる。そのお店の非会員のユーザーも遊びやすくなってきています」(藤井氏) 

 

 もちろん今後も金相場の推移に伴い、TUCで扱う特殊景品の買取価格が改定される可能性はある。しかし500円の「1g銀賞品」が導入されれば、金地金の価格に関係なく、500円刻みの交換が可能になる。ひとまず、都内のパチンコユーザーたちは余り玉をそこまで気にせず、パチンコ・パチスロを楽しめるようになりそうだ。(了) 

 

 

 
 

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