( 139711 )  2024/02/16 01:08:25  
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兵庫県で起きた放火殺人事件の裁判で、伯父が小学生兄弟2人を殺害し懲役30年の判決が下されたことについて、被害者の父親が30年という有期刑に納得がいかないとして検察に控訴するよう求めた。

殺害された兄弟の父親は、事件について深い遺憾の意を述べており、伯父の動機や裁判の経過も記されている。

(要約)

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侑城くんと眞輝くんの父親(15日) 

 

 2021年、兵庫県稲美町の自宅に火をつけ、小学生の兄弟2人を殺害した罪に問われている伯父の裁判員裁判で、検察側の死刑求刑に対し、神戸地裁姫路支部が懲役30年の判決を言い渡したことについて、判決後に記者会見した父親は「30年という有期刑には本当に納得がいかない」と話しました。 

 

【速報】兵庫・稲美町の小学生兄弟を放火殺人「妹夫婦を苦しめるため」伯父に懲役30年 求刑は死刑 

 

 事件で殺害された松尾侑城くん(当時12)と眞輝くん(当時7)の父親は、15日午後3時すぎから姫路市内で会見し「結審するまでに心からお詫びしたいという言葉がほしかった。何の罪も落ち度もない二人を放火という残虐な手段で殺害したにもかかわらず、懲役30年という有期刑には納得いかない。検察には控訴してほしい」と話しました。 

 

 松尾留与被告(53)は2021年11月、兵庫県稲美町の自宅に火をつけ、同居する甥の松尾侑城くん(当時12)と眞輝くん(当時7)の兄弟2人を殺害した罪に問われています。 

 

 松尾被告は事件当時、妹夫婦とその子どもである侑城くんと眞輝くんの5人暮らしで、2階には妹家族が、1階では松尾被告が暮らしていましたが、2階の部屋に無断で入ったり、冷蔵庫の中にある食品を無断で食べたりしたことなどから、妹夫婦が立ち入り禁止と張り紙をしたり、防犯カメラを設置したりしたため、妹夫婦に対し恨みを募らせていたことが明らかになっていました。 

 

 松尾被告は起訴内容を認めた上で、動機について「妹夫婦に精神的苦痛を与えるためにやった。兄弟を無残な姿にすることで、妹夫婦を悲しませアルコール中毒にさせたい。直接的に殺したのは俺だが間接的にやったのはお前らだ。謝罪するのは今の精神状態では無理」などと述べ、「死刑になっても仕方ない」などと話していました。 

 

 検察側は「妹夫婦への不満を晴らすために、不満の対象ではない兄弟を殺害したのは、命を軽く見る度合いが著しい。動機は身勝手で残虐で非人道的。酌量の余地はない」として、松尾被告に死刑を求刑したのに対し、弁護側は、松尾被告が軽度の知的障害を持っていた影響から、建設的な問題解決ができず、精神的に追い詰められた末に犯行に及んだとして「死刑は相当ではない」と主張していました。 

 

 神戸地裁姫路支部は15日「恨みの対象ではない2人の尊い命を奪い悪質性は重大」と指摘する一方、「(事前に)ガソリン缶の中身を確認していないなど計画性が高いとは言えない」とし、親族間でのトラブルに起因していることなども考慮し、松尾被告に懲役30年を言い渡しました。  

 

 

 
 

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