( 140288 ) 2024/02/17 23:07:58 0 00 政権奪取へ泉代表の「本気度」が問われる
【ニュース裏表 伊藤達美】
はたして泉健太立憲民主党代表は「ミッション型内閣」構想を本当に実現したいと思っているのだろうか。泉代表や同党の動きを見ていると、とても「本気度」が感じられない。
【アンケート結果】次の首相にふさわしいのは…
同構想は野党各党が一致できる政策(ミッション)に絞って実現するための野党連立政権を樹立しようというもの。筆者は先月11日付当欄で、①同構想を同党として正式決定すべきだ②「ミッション型内閣」として、現在の政府方針を引き継げるものと引き継げないものとを整理すべきだ―の2点を注文した。
①については、どのような党内手続きが行われたか判然としないが、泉代表が代表質問や定期党大会という、より公式な場でこの構想を訴えている以上、同党の正式方針として承認されていると理解してよいのかもしれない。
しかし、語っているのは泉代表ばかりで、岡田克也幹事長や長妻昭政調会長ら党幹部の口からはこの構想に関する発言が聞こえてこない。これはいったいどうしたことか。この構想が同党の幹部間で本当に共有されているのだろうか。その疑念を拭い去ることはできない。
本来なら、党首がここまで公言している以上、岡田幹事長は速やかに各党に対して、何らかの働きかけを行ってしかるべきだ。壇上から呼びかけるだけで、まさか「正式提案」をしていると思っているわけではあるまい。やはり、党首が会談し、直接、説明するのが礼儀というものだ。その段取りをつけるのが幹事長の仕事だが、そうした動きは全く見えない。これも「本気度」が疑われる理由だ。
②については、泉代表は2月1日、「次の内閣」会合で、「ミッション型内閣を実現するために、各分野で他の各党の政策との相違点や共通点を点検してほしい」と呼び掛けたという。遅きに失している観は否めないが、それでも一歩前進だ。
問題は、この発言を受けて各部門会議は具体的に動き出しているのかどうかだ。しかし、筆者の知る限り、そのようには見えない。
泉代表が言うように、新党結成と違い、連立政権は理念や、全ての政策を一致させる必要はない。しかし、内閣を組織する以上、少なくとも「当面の政策の一致」は不可欠だ。日本維新の会や、国民民主党もその点を指摘して消極姿勢を示している。
例えば、「ミッション型内閣」は、立憲民主党が反対姿勢を表明してきた米軍普天間基地の移設問題に対してどのようなスタンスをとるのか。
もし、そこを解決する意思がなければ、政権構想の実現は不可能だ。
単に「言うだけ」の構想ならば、最初から言わない方がいい。泉代表、および立憲民主党の同構想実現に対する決意を示してほしい。 (政治評論家 伊藤達美)
|
![]() |