( 141441 )  2024/02/21 00:42:28  
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老後の資金不安に関する話題が続く中、老後のシミュレーションを通じて、「貯蓄2000万円・年金20万円」の夫婦生活に必要な金額を検証する記事が紹介されている。

老後生活の安定には年金と貯蓄が必要であり、両方が充実している場合は安心して生活できるが、不足している場合は不安が残るとしている。

本文では、年金20万円を受給する場合のシミュレーション結果に基づいて、老後に必要な資金や収支を詳細に検証している。

また、年金支給額には税金や保険料などの天引きがあるため、手取り収入は実額より低くなることも示唆している。

将来的な老後生活に備えて、早めの準備が重要であり、資産の運用方法やリスク管理を含めて検討することが必要であると述べられている。

(要約)

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写真:LIMO [リーモ] 

 

人生100年時代と言われるいま、人によってスタート時期は様々ですが、「将来の老後資金が不安です」というお声をよく耳にします。 

 

【家計収支のシミュレーション】65歳以上の無職夫婦世帯「年金20万円」なら貯蓄はいくら必要? 

 

「老後2000万問題」が話題となり数年が経ちましたが、実際「貯蓄2000万円・年金20万円」あれば安心してセカンドライフを迎えることは出来るのでしょうか?  

 

今回は、老後の家計収支より夫婦2人「貯蓄2000万円・年金20万円」の場合の、老後のシミュレーションをしていきます。 

 

※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。 

 

2019年頃に話題となった「老後2000万円問題」以降、老後に対する漠然とした不安がより強くなったという方は少なくないでしょう。 

 

長い老後生活を支える2つの柱として「年金」と「貯蓄」があげられます。 

 

この両方が潤沢にあれば、安心して老後生活をおくることができるかもしれません。 

 

しかし、年金が少なければ貯蓄でカバーを、貯蓄が少なければ年金だけでやりくりしなければいけないため、多かれ少なかれ不安を抱えた老後生活となるでしょう。 

 

では老後、夫婦2人「貯蓄2000万円・年金20万円」なら安心できる水準なのか。 

 

老後に必要な生活費から逆算して考えていきましょう。 

 

総務省の「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支は下記のとおりです。 

 

可処分所得が約21万円に対して、消費支出が約23万円となっており、不足分として毎月2万円の赤字であることがわかります。 

 

「可処分所得」とは、収入のうち税金や社会保険料を除いた所得であり、手取り収入のことを指します。 

 

今回、シミュレーションする「年金20万円」ですが、額面と手取り額では大きく異なってきます。 

 

年金20万円が額面(実収入)の場合は、ここからさらに2万~3万円ほどの税金・社会保険料が天引きされると想定しておきましょう。 

 

年金20万円が手取り収入であっても、平均的な消費支出の中で生活する場合は毎月約3万円前後の赤字になると考えられます。 

 

つまり、「額面の収入20万円」「手取り収入20万円」どちらのケースであっても、毎月「赤字」が発生します。 

 

赤字分については貯蓄から補填する必要があるでしょう。 

 

 

前章では、年金20万円で平均的な消費支出の中で生活する場合は、毎月数万円の赤字になることを確認しました。 

 

また、赤字分は貯蓄から補填する必要があることも確認しましたが、「貯蓄2000万円」あれば足りるのでしょうか。 

 

年金収入が「額面20万円」と「手取り20万円」でそれぞれシミュレーションしてみます。 

 

●シミュレーション:【年金収入】手取り20万円の場合 

 ・手取り収入:20万円 

 ・1ヶ月の消費支出:23万円 

 ・1ヶ月の赤字:3万円 

 ・1年間の赤字:36万円 

 ・100歳まで生きる場合の最低必要資金:1260万円 

仮に、「手取り収入20万円」で「1ヶ月の消費支出が23万円」だった場合、1年間の赤字分は36万円です。 

 

100歳まで生きるとしても1260万円の補填で生活をしていけます。 

 

しかし、物価上昇により支出が膨らむ可能性があります。医療費の負担増や介護費用が必要になるケースも想定しておきたいです。 

 

では、「額面の収入が20万円」で、ここから税金や社会保険料が差し引かれて「手取り収入が17万円」だった場合をシミュレーションしてみましょう。 

 

●シミュレーション:【年金収入】額面20万円の場合 

 ・手取り収入:17万円 

 ・1ヶ月の消費支出:23万円 

 ・1ヶ月の赤字:6万円 

 ・1年間の赤字:72万円 

 ・100歳まで生きる場合の最低必要資金:2520万円 

上記の条件で「1ヶ月の消費支出が23万円」だった場合、1年間の赤字は72万円です。 

 

100歳までに赤字を補填するのに、最低でも2520万円が必要という結果になりました。 

 

年間72万円を取り崩していくと2000万円の貯蓄は約27年で底をつくと考えられます。 

 

また、医療費、介護費用、自宅修繕費用などの出費をカバーできない可能性も高くなるでしょう。 

 

前章でシミュレーションを行いましたが、あくまでも単純な計算となりますので参考程度にご確認ください。 

 

現役世代の方は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でご自身の年金受給見込額を確認することができますが、こちらは現時点の加入記録に基づくものです。 

 

また、見込額は額面となりますので、記載されている金額から10~15%ほど税金や社会保険料が天引きされると想定して老後の収入を見積もっておきましょう。 

 

その上で、ご自身の現在の月々の生活費と照らし合わせてみると、毎月どのくらいの取り崩しが発生するのかが見えてきます。 

 

 

今回は、老後の家計収支から、夫婦2人「貯蓄2000万円・年金20万円」の場合の、老後のシミュレーションをしてみました。 

 

人によって理想のライフスタイルは異なりますので、自ずと将来の必要資金の額は変わってきます。ご自身の年金受給見込み額を知る中で、すでに不足が生じる場合は今のうちから効率的に資産を増やす方法を検討する必要があるでしょう。 

 

低金利・止まらない物価上昇のいま、効率的に運用を取り入れることはもはや不可欠となりつつあります。 

 

もちろん運用にはリスクがつきものですが、時間を味方につけることでリスクを軽減させる効果もあります。自分に合った方法があるのか情報収集してみるのもいいでしょう。 

 

老後に向けた資産づくりには早めの準備が大切です。出来ることからスタートしてみましょう。 

 

 ・総務省「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」 

 

笹村 夏来 

 

 

 
 

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