( 141708 ) 2024/02/21 23:26:00 0 00 “ハム離れ”した人たちの事情とは(写真:イメージマート)
食卓に並ぶ食材として親しみがあるハムだが、食べなくなった人が増えているようだ。総務省の「家計調査(二人以上の世帯)」によると、ハムの年間支出金額は、2015年の5807円から2023年の4750円と減り続け、実に約10年で約20%減少。一方、同じ加工肉でもソーセージは7000円代前半から後半を安定的に推移しており、直近3年では増加傾向にある。なぜハムは選ばれなくなったのか。“ハム離れ”した人たちに聞いてみた。
【写真】カフェの朝食では馴染み深いハムエッグトースト。キャンプ飯にもハムは合う
メーカー勤務の30代女性・Aさんは、少し前まで朝食にハムは欠かせない存在だったが、「そういえば最近買わなくなった」と明かす。
「目玉焼きとハム、レタスやトマトといった野菜、パンかご飯というのが、我が家の平日の朝食でした。平日は基本的にこのスタイルで、ハムを切らしていると動揺するほどでした」
そんな「ハムがある暮らし」から、“エッグショック”以降はハムの存在感が急激に薄れてしまったそうだ。
「物価高で家計を見直そうと思っていたところに、卵の価格が高騰。朝ご飯からハムを抜きました。最初は子供たちからも『ないの?』という声が出ていましたが、だんだん慣れました。そもそもよく考えたら、朝の時間がない時に何も考えずに添えていただけ。卵の価格は少し戻ってきましたが、今度はハムがないことに慣れて、レギュラー落ちしたままです。
あと、うちの場合ですが、ハム=朝食というイメージが強すぎて、昼食や夕食用にハムを使う選択肢がないことも、ハムから遠ざかる理由かもしれません」(Aさん)
IT企業勤務の40代女性・Bさんも、日々の食事にハムを使う機会がなくなったという。
「言われてみれば、最近食べませんね。子供たちが小さい頃は、お弁当に入れるために買っていましたが、その時も大人は特に食べていませんでした。
子供たちが大きくなると、いわゆるスライスハムでは物足りないので、いくら手軽でも最終的にコスパが悪い感じがしてしまい、買わなくなりました。また、お弁当以外で料理にハムを使うかというと、私の場合、そもそも全く使わない。ベーコンやソーセージは、ミネストローネやポトフ、チャーハンを作る際などに活躍するのですが……。結局うちでは、ハムは小さな子供が食べるものという位置付けが強かったということでしょうか」
不動産会社勤務の20男性・Cさんも「ハムは買わなくなったが、ソーセージは買う」と明かす。
「確かにハムはすぐに食べられるので便利なんですけど、ちくわとセットにしたりマヨネーズをトッピングしたり、単体よりも何かと組み合わせるっていう立ち位置なんですよね。それが面倒でハム単体で食べると、一気に何枚も食べてしまいがちです。
最近はハムより価格が少し高くても、ソーセージを選ぶことが増えました。ハムよりソーセージの方が単体で満足感がある気がします」
さまざま理由から存在感が薄れつつあるハム。お手軽な食材だけに使えるシチュエーションは広いと思えるのだが…。(了)
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