( 141871 )  2024/02/22 13:54:37  
00

日経平均株価が史上最高値に迫り、株価の上昇に浮かれる声がSNSなどで見られる一方で、個人投資家の実感はそれほど多くないという。

新NISAが始まり、投資への関心が高まっているが、多くの資金は海外投資商品に流れており、日本株への投資が少ないと指摘されている。

株価の上昇に沸く中、証券会社も苦労しており、新NISAを活用している企業とそうでない企業がはっきりしているという声もある。

(要約)

( 141873 )  2024/02/22 13:54:37  
00

02【株高】純粋に浮かれてばかりでいられない?(C)日刊ゲンダイ 

 

 日経平均は1989年12月29日につけた3万8915円87銭に迫り、35年ぶりの史上最高値更新は時間の問題とみられている。米国株も最高値を更新していることから、《資産が2倍になった》《投資を始めてすぐに爆益しました》など、SNSでは景気のいい声が散見されている。 

 

【表あり】株価爆上げ相場の“主役” 海外投資家がこれから狙ってくる77社を一挙公開! 

 

 新NISA(少額投資非課税制度)が1月からスタートし、投資への関心はかつてないほど高まっているが、株高を実感できている人はそう多くないという。 

 

「1月は全体を通して見ると、個人(投資家)は売り越ししています。昨年の早い段階で銀行や商社などのバリュー株を仕込めていた人の多くは、儲けを出しているはずです。ただ指数への寄与度が高いファーストリテイリングやトヨタ、東京エレクトロンなどは値がさ株のため、この株高に乗れている個人投資家はそれほど多くはないでしょう。海外で稼ぐトヨタなどのグローバル企業に投資するか勤務するかしない限り、株高の実感はほとんどないように思います」(金融ジャーナリスト・鈴木雅光氏) 

 

 新NISA開始1カ月で株式市場に流入しているマネーは2兆円に迫っているといわれる。しかし、その多くは日本株でなく、三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)など、米国を中心に全世界に投資する商品に集中している。 

 

「オルカンなどに資金が流入していることで、2100兆円を超える日本人の金融資産の海外流出を懸念する声が政府関係者から出始めています」(鈴木雅光氏) 

 

 日経平均の最高値更新が間近に迫り、都内の証券会社ではくす玉が用意されるなど、お祭り騒ぎとなっている。だが株高、新NISAに沸くはずの証券会社も明暗が分かれているという。 

 

「新NISAは1人あたり1口座しか開けないことから、手数料無料化を実施しているSBI証券や楽天証券などに口座開設が集中しているといわれています。そのため、直販のみで投信を販売している会社も苦境に立たされています」(鈴木雅光氏) 

 

“失われた30年”を取り戻すかのような熱狂は始まったばかりか、もしくは今が最高潮か……。 

 

 

 
 

IMAGE