( 141901 )  2024/02/22 14:27:01  
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大阪の黒門市場と東京の築地場外市場では、外国人観光客向けの高価なメニューが増えており、地元の人々には苦情が出ている。

例えば、大阪では焼きエビやカニが3500円や4000円で売られているが、外国人客はあまり購入していない。

一方、東京の築地場外市場では、外国人向けに豪華なメニューが提供されており、1串3000円前後の肉や海老ラーメンが人気を集めている。

どちらの市場でも、外国人観光客をターゲットにしたビジネスが盛んになっているが、地元の人々や日本人客は高い価格設定に違和感を持っているようだ。

(要約)

( 141903 )  2024/02/22 14:27:01  
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カニと一緒に「はい、ポーズ」/(C)日刊ゲンダイ 

 

【現地ルポ 列島インバウンドバブル】#3 

 

 黒門市場(大阪)/築地場外市場(東京) 

 

 ◇  ◇  ◇ 

 

ラーメンが世界的人気でも店の倒産は大幅増…しかもインバウンドの行列はありがた迷惑? 

 

「Shrimp ¥3500」「King Crab ¥4000」「Sea Urchin ¥3500」──。あちこちの店頭の値札に英語表記と強気の値段が並ぶ。大阪・ミナミの黒門市場。地元庶民が気軽に買い物する「なにわの台所」の雰囲気は一変し、すっかりインバウンド目当ての店だらけである。 

 

「コロナ禍の3年間で老舗を含め30近くの店が畳み、その跡に新規出店が相次いどるけど、どこもかしこも外国人観光客だけを相手する店ばっかりや」(ある店主) 

 

 平日の朝9時すぎに足を運ぶと日本人客はほぼいない。すれ違うのはアジア系の観光客が多い。ちょっと前には2万~3万円は当たり前の高値をふっかける店もあり、地元の人は“ぼったくり市場”と呼ぶようになった。今では悪名払拭のためか、1万円以上の品物はまず置いていない。加えて、ズラリと並ぶ1尾3500円の焼きエビや1本4000円のカニ足などを買い求める外国人観光客も見かけないのだ。 

 

 1本2500円で近江牛の串刺しを売るおっちゃんに話しかけると、開口一番「大阪には裕福な人が来てないんちゃう?」とこう続けた。 

 

「ここに来る人も大半は何も買わんと、商店街の雰囲気を味わいたいだけ。食品サンプルの値段かてバカにならんし。商売あがったりですわ」 

 

 その横でアジア系の若いカップルが1串800円の焼きかまぼこをおいしそうに頬張っていた。 

 

オマール海老味噌ラーメンは5500円(C)日刊ゲンダイ 

 

 東京・築地の場外市場は「Wagyu」が人気。複数の店が串刺しのステーキを販売している。目当てはインバウンドだけに、外国人の店員もおり、英語でやりとりしていた。1串3000円前後。米国人客に聞くと、「20ドル。安いよ」。 

 

 日本人の感覚だと「?」だが、「ウニサーロイン串 6000円」が1番人気という店も。霜降り肉の上にウニを乗せ、その豪華さと特別感が外国人観光客にはたまらないのか。濃い味同士が口の中でケンカしないか心配していると、ベビーカーを引くアジア系の家族連れが「3本」と言って万札2枚を差し出した。締めて1万8000円だ。 

 

 外国人観光客が喜びそうな豪華メニューは他にもある。朝から酒が飲める海鮮居酒屋で見つけたのは「オマール海老味噌ラーメン 5500円」。2つに割った焼きエビ1尾がドーンとのっかり、ボリューム満点だ。 

 

「昨年7月のオープン時からのメニューで、インスタで人気が出ました。外国人はエビ好きが多いですよ」(「リトル築地場外」三宅修司社長) 

 

 エビは香ばしく、身がプリプリ。エビのだしがしっかり出たスープも◎。エビが半分なら3080円なので、日本人でも試す価値アリ?=つづく 

 

(取材・文=今泉恵孝、小塚かおる/日刊ゲンダイ) 

 

 

 
 

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