( 142021 )  2024/02/22 23:25:35  
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日本銀行の植田和男総裁は22日、現在はデフレではなくインフレの状態にあるとの見解を示した。

物価の動向については、賃金上昇を反映したサービス価格の上昇が続いており、物価が緩やかに上昇していると述べた。

さらに、労働需給の引き締まりにより企業の賃金設定が積極的になっており、物価も緩やかに上昇する好循環が強まっていると説明した。

これにより、日銀の金融政策の正常化が進む可能性が高まっていると報じられている。

また、外国為替市場では日銀の政策変更が近づいているとの意識が高まり、円の買い戻しを引き起こしている。

また、政府の物価高対策については、国民生活や事業活動を守るための対応であると強調された。

(要約)

( 142023 )  2024/02/22 23:25:35  
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Bloomberg 

 

(ブルームバーグ): 日本銀行の植田和男総裁は22日、足元の物価動向について、デフレではなくインフレの状態にあるとの見解を示した。衆院予算委員会で答弁した。 

 

植田総裁は東京都区部の1月の消費者物価が1年8カ月ぶりに2%台を割り込んだことに関し、輸入物価高を価格転嫁する動きの鈍化や政府の物価高対策の影響とし、「賃金上昇を反映する形でサービス価格が緩やかに上昇する姿は続いている」と指摘。その上で「去年までと同じような右上がりの動きが続くと一応、予想している。そういう意味でデフレではなくインフレの状態にある」と語った。 

 

東京消費者物価1年8カ月ぶり2%割れ、宿泊が下押し圧力に拍車 

 

政策決定の際には基調的な物価上昇率を見て判断するとし、「徐々に高まりつつある、高まっていくと判断している」と説明。労働需給が引き締まる下で企業の賃金設定行動も従来より積極的な動きが見られているとし、「雇用・賃金が増加する中で、物価も緩やかに上昇するという好循環が強まっていく」との認識を示した。 

 

1月の金融政策決定会合以降、植田総裁や内田真一副総裁から正常化への地ならしと取れる発言が相次ぎ、市場では3月か4月の会合で政策変更に踏み切るとの観測が広がっている。総裁が今後も基調的物価が上昇し、賃金・物価の好循環が強まっていくとの見通しを示したことで、早期の正常化観測を後押ししそうだ。 

 

植田総裁の発言を受けて、外国為替市場では日銀の政策修正が近いことが意識され、円を買い戻す動きが出ており、一時対ドルで前日比0.1%高の150円23銭とこの日の高値を付けた。 

 

鈴木俊一財務相は同委員会で、政府の物価高対策は物価を引き下げるためではなく「国民生活や事業活動を守るために対応するもの」と説明。日銀の金融政策とは目的や対象が異なり、両者が矛盾することはないと語った。その上で、政府・日銀の共同声明に沿い、両者が「一体となって、物価安定の下での持続的な経済成長に向けて取り組んでいくことが重要だ」と述べた。 

 

 

一方、植田総裁は金利が1%上昇した場合の日銀保有国債への影響を問われ、40兆円程度の評価損が発生すると説明。鈴木財務相は足元で銀行が保有する有価証券の評価損益は株式含み益などで全体としてプラスだとし、保有債券に評価損が発生しても評価益と一定程度相殺されるとの見方を示した。 

 

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--取材協力:氏兼敬子、船曳三郎、関根裕之、横山恵利香. 

 

(c)2024 Bloomberg L.P. 

 

Masaru Aoki 

 

 

 
 

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