( 145041 )  2024/03/02 23:04:10  
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自民党を巡る裏金問題が話題になっており、政治倫理審査会では岸田総理や幹部が「知らない」と答え、多くの疑問が残った。

地方政界でも同様の動きが見られ、なぜ政治とカネの問題が繰り返されるのかが問われている。

裏金問題に関しては、証人喚問で責任を追及する必要があるという声もあり、政治資金規正法の改正に国民が訴える必要があるとの意見も出されている。

(要約)

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自民党をめぐる巨額裏金問題。今週は、政治倫理審査会が開かれ、岸田総理、森派、二階派の幹部が出席しましたが、裏金の存在などについて、「知らない」という答弁に終始し、多くの疑問が残る結果となりました。 

 

【写真を見る】「質問を削除しなければインタビューには応じられない」自民党裏金問題で“質問封じ”も 語らぬ政治家たちが繰り返す“政治とカネ”の問題に「国民も要求を」【報道特集】 

 

また、地方政界でも、政治家の説明責任を軽視する動きが浮き彫りに。なぜ、政治とカネの問題は繰り返されるのでしょうか? 

 

■政治倫理審査会に総理出席も…遠い“裏金解明” 

 

村瀬健介キャスター 

「いま、岸田総理が国会に到着しました。現職の総理として初めて政治倫理審査会に臨みます。派閥の裏金問題、どのように説明するのでしょうか」 

 

今週、2日間にわたって行われた政治倫理審査会。岸田総理は野党からの質問にこの言葉を連発した。 

 

岸田文雄総理 

「報告書の中に書いてありますように」 

「報告書の中に記載をされています」 

 

岸田総理の言う報告書とは、2月、自民党幹部や弁護士が所属議員らに行ったアンケートの結果をまとめたもの。そこには、収支報告書への不記載などが、いつどのようにして始まったのかまでは判然としないものの、遅くとも10数年前、場合によっては20年以上前から行われていたことも窺われると記されている。 

 

この間、長く清和政策研究会の会長は森喜朗元総理だったが… 

 

岸田文雄総理 

「十数年以上前からこういったやり取りが行われていた。こういったことを弁護士の皆さんが報告書にまとめた。森元総理が直接関わったという発言があったということは、私自身、報告を受けてはおりません」 

 

派閥側から各議員へ収支報告書に記載しないよう指示があったかという点ついては… 

 

岸田文雄総理 

「確かに報告書を見る限り、そういった記述があったと記憶しております」 

 

日本共産党 穀田恵二衆院議員 

「報告書のことは全部聞いて知っている、お互いに見ているのだから。問題はそれ以後、どういう努力をして、この問題について解明されたのか」 

 

岸田総理の次に出席したのが、二階派で事務総長を務めている武田良太元総務大臣だ。 

 

 

派閥のトップ・二階俊博元幹事長は、自民党が行ったアンケートで記載漏れの額が最も多い3526万円だったが、本人ではなく、武田氏が出席したことについて。 

 

自民党 武田良太元総務大臣 

「志帥会の会長・二階俊博代議士は紛れもなく派閥の象徴。しかしながら、一切、事務または経理等に関わることはなく、一番説明責任がつくのは事務総長である私と思って(出席)」 

 

武田氏も二階氏も派閥の政治資金の取り扱いには関わっておらず、議員ではない事務局長だけが把握していると強調した。 

 

自民党 武田良太元総務大臣 

「先般、(二階)会長と話し合ったところ、全く把握しておられませんでした。全部、25年間勤めあげた事務局長が掌握していて、本当に我々、存じあげないことだらけなんです」 

 

2日目となる、1日の政倫審。安倍派の西村前経産大臣、松野前官房長官、高木前国対委員長の事務総長経験者と座長の塩谷元文科大臣の4人が出席したが、安倍派5人衆で一番多額となる2728万円が不記載だった萩生田前政調会長の姿はなかった。 

 

安倍元総理の肖像画が掲げられた委員会室で、裏金について何を語ったのか。 

 

西村康稔前経産大臣 

「秘書が現金で受け取っていたと」 

 

立憲民主党 枝野幸男前代表 

「そんなこと秘書が勝手にできるのですか」 

 

西村康稔前経産大臣 

「これは何度も会計責任者である秘書と確認をいたしました」 

 

松野博一前官房長官 

「事務所において、秘書によって管理されていた。現金でございます」 

 

高木毅前国対委員長 

「派閥の事務方さんから、これは記載しなくていいと私どもの秘書が言われて、記載をしなかった」 

 

秘書に任せていたという発言が相次ぐ中、塩谷氏には… 

 

立憲民主党 寺田学衆院議員 

「国民の皆さんが怒っているさまざまな部分の一つは、自分らが裏金作って持っていたのだったら、そんなもん政治資金じゃねえだろ、ちゃんと納税しろという話です。納税するおつもりはありますか」 

 

塩谷立元文科学大臣 

「私自身はしっかりと政治活動に使用していますので、納税するつもりはございません」 

 

 

■「政治資金関連の質問を削除してもらいたい」“質問封じ”裏金問題 地方に波及 

 

自民党の裏金問題は、国会だけではなく地方政界にも波及している。 

 

長崎幸太郎山梨県知事。自民党の衆院議員時代から二階俊博元幹事長の手厚い支援を受けてきた。 

 

自民党 二階俊博元幹事長 

「長崎君には遠慮なくやれと。君を自民党へ入れないなど言っている奴がお馬鹿さんだと」 

 

今年1月、長崎知事は二階派から受け取った1182万円を収支報告書に記載していなかったことを明らかにしたのだが… 

 

長崎幸太郎山梨県知事 

「収支報告にどのように反映させるかについて、志帥会(二階派)からの指示を待っていたまま失念し、今日まで事務所にて別途保管されたまま放置されていたものであります」 

 

現金で受け取った1182万円は、あくまで二階派からの「預かり金」とし、「裏金」ではないと主張した。 

 

記者 

「裏金ということに関して否定されていますが、改めて、裏金ではないというご説明を」 

 

長崎幸太郎山梨県知事 

「そもそも裏金の定義を教えてください。私たちは預かり金的なものとして認識していた。(収支報告書ではない)帳簿にしっかり記載をし、他人様のお金なので、これまで手を付けず保管をしていた。従ってこれは決して裏金ではありえない」 

 

そのさなか、2月に予定されていた報道各社による知事へのインタビュー取材をめぐり、県側が”質問封じ”ともとれる強硬な姿勢を示した。 

 

山梨県の担当者 

「政治資金関連の質問を削除してもらいたい。削除しなければインタビューには応じられない」 

 

地方政界でも、政治家の説明責任を軽視する姿勢が浮き彫りになった。削除の要求に応じなかった一部の社に対し、県はインタビューを拒否。 

 

報道各社は抗議文を提出した。 

 

「憲法で保障された言論と表現の自由を脅かすことにつながると危惧しています。こうした質問規制は全国的にみても異例であり、到底受け入れることはできません」 

 

“質問封じ”は知事が指示したのか… 

 

 

長崎幸太郎山梨県知事 

「時間がない。残念」 

 

記者 

「知事、知事。質問の削除要請に関しては、知事の指示というのはあったのでしょうか?」 

 

長崎幸太郎山梨県知事 

「何が?」 

 

記者 

「質問の削除要請については、知事からの指示等はあったのでしょうか?」 

 

長崎幸太郎山梨県知事 

「ないですよ」 

 

記者 

「今回の対応について適正だと思いますか?適正な対応だったと」 

 

長崎幸太郎山梨県知事 

「問題ないと思っています」 

 

記者 

「今後も同様のケースがあった場合、同じように削除要請しますか?」 

 

公聴広報統括官 

「それは知事に聞いてもしょうがない」 

 

県側は「県政に関する内容以外の質問は記者会見の場で質問いただくよう調整を提案したもの。取材活動の規制では到底ありえない」などと回答した。 

 

■規制法の改正「泥棒が都合の悪い刑法は作らない。国民も要求を」 

 

なぜ、政治とカネの問題は繰り返されるのか。 

 

自民党の裏金問題を刑事告発した神戸学院大学(法学部)の上脇博之教授。政治倫理審査会ではなく、証人喚問で政治家の責任を追及することが必要だと話す。 

 

神戸学院大学(法学部) 上脇博之教授 

「最終的には、嘘の証言をしたら偽証罪に問われる証人喚問という形をとらざるを得ない。単に議員が弁明するだけで終わったら、主権者(国民)は納得しない。政治資金パーティーというのは裏金が作られる温床になっている。会社・企業がパーティー券を買った分は誰もチェックできない。政治資金パーティーはもう全面的に禁止する」 

 

問題の背景にある政治資金規正法。その改正を国民が訴えていくべきだと話す。 

 

村瀬キャスター 

「国会議員にとってもザル法であることがメリットだっていうところもあると思う。その国会議員に改正について決めてもらうことには限界があるようにも思うが」 

 

神戸学院大学(法学部) 上脇博之教授 

「泥棒が自分に都合の悪い刑法は作らない。実際、法律改正になると、自分に都合のいい法改正になってしまう。主権者(国民)も警戒して、いい法律にしろという要求を突きつけていく必要がある」 

 

 

 
 

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