( 145061 )  2024/03/02 23:25:33  
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若い世代の間で、メールやチャットの文章の最後の句点「(マル)」が怖い・冷たい印象を与えるという話題がある。

これを「マルハラスメント」と呼び、俵万智氏は句点を使うのは日本語の特徴として丁寧だと指摘している。

一部の若者はこの報道に違和感を感じ、マルを怖がるわけではないと反論している。

Z世代の若者たちはTPOをわきまえ、句点の使い方やニュアンスに気を配っている。

マルにはネガティブな意味もあり、友人同士のコミュニケーションではニュアンスを理解し合っている。

若者は日本語の使用について年長世代と異なる感覚を持つが、それが若者批判として捉えられることもある。

(要約)

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なんでもかんでもマルを怖がっているわけでは…(イメージ) 

 

 メールやチャットの文章の最後につける句点の「。(マル)」。昨今、若い世代のあいだで、この「マル」に“怖い”“冷たい”という印象を受ける人たちがいると話題だ。職場の上司などがLINEなどでマルをつけて送る行為を「マルハラスメント」(通称・マルハラ)と呼ぶ動きもみられ、世代間ギャップも議論を呼んでいる。 

 

 これに対して歌人の俵万智氏は、自身のX(旧Twitter)アカウントで、〈句点を打つのも、おばさん構文と聞いて…この一首をそっと置いておきますね~〉と断りを入れたうえで、〈優しさにひとつ気がつく ×でなく○で必ず終わる日本語〉という短歌を投稿し注目を集めた。 

 

 この流れで、若者、とくにZ世代の言語感覚を揶揄する声も出るなか、こうした報道自体に違和感を感じる若者もいるようだ。Z世代のリアルな声を紹介しよう。 

 

 都内の私立大学に通う男子学生・Aさん(22歳)は、「マルハラ」報道に次のように反論する。 

 

「若者が“マル”を怖がっている“マルハラに気をつけよう”というニュースに、SNSではZ世代を揶揄する声も絶えません。ただ、僕や友人の感覚では、“マル”だからなんでもかんでも怖いというわけではない。就職活動で企業の方と連絡を取る際には、当たり前ですが句点を使ったメールを打ちます。保護者世代の人、バイト先の目上の人からLINEをもらった時にマルがついていても、そうした関係性のなかでのやり取りなので“怖い”とか“冷たい”とは解釈しません。 

 

 一方で、マルに冷たい印象を感じることも確かにありますが、それは普段からインスタのDMやLINEで短文のやり取りをしている同世代同士の会話に限られるものだと思います。 

 

 正直、若者がなんでもかんでもマルを怖がっているという風潮を報じるニュースは、若者の日本語用法が低レベルだと印象付ける、悪い意味での印象操作だと思います」(Aさん) 

 

 Aさんと同様の見解を持つ若者は少なくない。都内で美容師をしている女性・Bさん(21歳)も公語る。 

 

「最近、この“マル”の話題でSNSが盛り上がっていますが、若者がバカにされているような印象を受けました。若者だってTPOぐらいわきまえていますし、それを使う相手の気持ちを感じ取ることができます。 

 

 たしかにマルがネガティブな意味を持つケースはあります。たとえば友人や恋人に謝罪をした後の、『わかった』と『わかった。』という返信には違う印象を受けます。後者のほうが突っぱねられている気がする。実際に怒っていることを表明するために、わざとマルを使う友人もいます。友達が遅刻してくるときや、何度も約束を破った時に、あえて『りょーかい。』『おけ。』と、怒っているニュアンスを入れてみたりします。 

 

 このように、普段はマルをつけないような、同世代の友人同士のやり取りのなかで、マルのニュアンスを汲み取りあっているんです。私たちだって、当たり前のように仕事のやり取りをするし、小説も読むし、受験勉強の現代文を解いてきましたから、句点自体にネガティブな印象を持っているわけじゃないんです」(Bさん 

 

 若者は年長世代と日本語を使う感覚が異なるから「マルハラに気をつけよう」といった語り口もあるが、それが一部の若者にとっては“若者批判”に受け止められてしまっている側面もあるようだ。 

 

 

 
 

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