( 146088 ) 2024/03/06 00:13:05 0 00 ついに4万円台に乗せた日経平均株価
日本株が未踏の領域に踏み入れた。4日の東京株式市場で日経平均株価の終値は前週末終値比198円41銭高の4万0109円23銭と初めて4万円を超えた。今後の政策や外部環境による下落リスクも抱えるが、識者は「5~10年以内に10万円になる可能性がある」との見方を示す。
【表で見る】株価と実質賃金の推移
4日の市場では一時、400円超高の4万0314円64銭まで上昇した。武者リサーチ代表の武者陵司氏は1月時点で、日経平均が「4月にも4万円になってもおかしくない」と強気だったが、実際には1カ月早く達成した。
「経済の最先行指標である株価が高値を更新したということは、日本の新時代、『新しい繁栄』の出発と考えることができる。今が登山のピークなのではなく、むしろ壮大な株価上昇が始まる。日経平均はひょっとするとすぐに5万円、6万円となり、5~10年以内に10万円になる可能性がある。10万円は遠い将来の話ではなく、今そこにある現実かもしれない」と話す。
4日の市場ではプライム市場の銘柄の7割超が下げたが、半導体株が堅調だった。昨年末から2カ月余りで、製造装置の東京エレクトロンや検査装置のアドバンテストの株価は50%以上も急騰した。先端半導体が不可欠な生成人工知能(AI)への期待だ。
日本の「新しい繁栄」の姿について武者氏は「ハイテクの生産強国になるだろう。東アジアにおけるハイテク製造業のハブ(中心地)は、約30年前に日本から中国、韓国、台湾に移ったが、再び日本に戻ってくるイメージがほぼ確かになっている。米中冷戦という地政学環境の変化により、世界のサプライチェーン(供給網)からの中国排除と日本産業復活が進んでおり、今の半導体ブームはその前兆とみていい」と指摘する。
岸田文雄首相は4日の参院予算委員会で、日経平均の4万円超えについて「マーケット関係者がポジティブな評価を行っていることを力強く思う」と述べた。
ただ、自民党ベテラン議員は「経済指標などはリセッション(景気後退)か、その危機にある。株高は庶民には響かないだろう。岸田政権が株高の呼び水となったのは確かだが、中国経済の不調による資金流入や、米株高の相乗効果によるものが大きく、政策による成果とはいえない」と冷ややかだ。
今後の懸念材料の一つは日銀のマイナス金利解除だ。金融引き締めで円高を招くと、株高の流れが逆回転する恐れもある。リーマン・ショックのような危機もいつ、どこで起きるか分からないが、急落を乗り越えて上昇する底力が東京市場に求められている。
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