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森永乳業が牛乳などの"びん入り"商品の販売を終了することを発表。

森永乳業の"びん入り牛乳"の95年の歴史に幕が閉じる。

一部の商品は紙パックやペットボトルへ切り替え。

他にも日本酒の一升瓶などびん入り容器の変化があり、一部の酒蔵では製品の容器色を茶色に変更する選択。

ラムネはびん入りで海外で人気があり、輸出額は増加しているが、びん生産が追いつかず、ビー玉が足りない状況。

大塚製薬の"オロナミンC"はびんにこだわり続けており、品質保持やリサイクルを重視している。

(要約)

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また一つ、かつての定番商品が姿を消すこととなりました。森永乳業は、牛乳などの「びん入り」商品7品目の販売を、3月いっぱいで終了すると発表しました。銭湯への出荷も終了するということです。 

 

【写真を見る】森永乳業 牛乳「びん入り」終了へ 今月末で95年に幕、一方、びんラムネは欧米・アジアで大人気に、でも…【Nスタ解説】 

 

■「懐かしさ・安心感を抱く“特別な容器”」 95年の歴史に幕 

 

山内あゆキャスター: 

2024年3月末で販売終了となるのは、森永乳業の宅配向けの牛乳(びん)など、7品目です。銭湯への出荷も終了してしまうということです。 

 

びん容器の回収や洗浄のための輸送、エネルギーの効率、客のニーズなどを考慮し、“びん入り牛乳”の95年の歴史に幕を閉じることになったということなんです。 

 

森永乳業 市乳営業統括部 大山洋次 マネージャー 

「懐かしさや安心感を抱く『特別な容器』。届けられるよう努力してきた」 

 

一部の商品は、紙パックやペットボトルに切り替えて販売を続けるということです。 

 

皆さん思い入れはありますか。 

 

産婦人科医 宋美玄さん: 

私の小学校の頃は、牛乳が給食に出るときは、びんでした。給食当番のときに運ぶのがものすごく重かったです。びんの牛乳のふたをうまく開けられなかったり、ふたが通貨として流通していた記憶がありますね。物々交換として、ふたがコインのように使われていました。 

 

井上貴博キャスター: 

寂しいなと感じる一方で、ペットボトルに変えられるのは、日本の技術だと言われてます。ペットボトルで乳製品を、と。時代の流れというものはあるんでしょうね。 

 

■「製品イメージもあるので、本音は変えたくない」 一升瓶も変化 

 

山内キャスター: 

調べてみると変化しているのは、この牛乳のびんだけではなかったんです。びんに入った様々な容器を調べたところ、時代の流れを感じることができました。 

 

まずは日本酒の一升瓶です。異変が起きていたということ、気づいていましたか。 

 

一升瓶などのびんメーカーは、コロナ禍で出荷が止まり、工場の閉鎖が相次いだんです。そして、コロナ禍があけ、一升瓶の需要が戻ったものの、びん製造が追い付かないという状況になり、今も続いているということなんです。 

 

びん不足により、関西の酒蔵では、こんな苦渋の選択です。 

 

 

それまで▼緑色のびんで製品を作っていたんですが、製造量が少ないそうです。そして、製造量の多いという▼茶色のびんにして製品を作っているそうです。 

 

同じ日本酒でも、びんの色を変えて作っているといいます。 

 

井上キャスター: 

(例えば)緑の方が視覚的効果で美味しく見えるなどはありますか。 

 

山内キャスター: 

製品に影響があるわけではないそうです。 

 

酒蔵の担当者 

「ここ数十年は、緑色のびんだけでやってきた。製品イメージもあるので、本音は色すら変えたくないが…」 

 

変更後の茶色のびんに、常連客が違和感を抱けば、新たなラベルに変更することも検討しているということでした。 

 

日比キャスター: 

ラベルとのマッチングもあるじゃないですか。やはり緑色のびんは、額縁のようなものだと思います。ずっとこだわっていらっしゃるところも、私はアートの一つだと思ってるので、ここを変えるのは難しいところですね。思いが詰まっていらっしゃるでしょう。 

 

山内キャスター: 

緑色のびんは、中身がどのくらい減ったのか見えやすいので、注ぐときの良さもあったんですが、ここは何としてでもお酒を残すために茶色で頑張っているということなんです。 

 

■ラムネが海外に輸出も… 

 

山内キャスター: 

ラムネもびんですよね。ラムネは、欧米やアジアで大人気になっているそうです。 

 

農林水産省によると、2021年の輸出額は77億円になっているそうで、過去5年で倍増しているということです。 

 

海外に輸送するんだったら、軽いペットボトルの方がいいような気がしますが… 

 

全国ラムネ協会 木村英文 会長 

「国内で流通するペットボトルは、海外で全く売れない!」 

 

ペットボトル・びんについて… 

 

外国人 

「ペットボトルは環境によくない…」 

 

外国人 

「びんだとビー玉のカラン♪の響きが良い」 

 

びんラムネはどんどん輸出するチャンスなんですが、▼ビー玉が足りません。その上、びん生産が追いつかない現状です。 

 

全国ラムネ協会 木村英文 会長 

「去年、大手のびんメーカーも倒産。せっかくのチャンスなんですが…」 

 

 

井上キャスター: 

これは、コロナ禍と関係はあるんですか。 

 

山内キャスター: 

コロナ禍で(製造等が)減ってしまったというのもありますし、製造メーカー自体がどんどん減っているというところなんです。 

 

■「変更予定はありません」 びん一筋59年 2つのこだわり 

 

山内キャスター: 

びんにこだわり続けているのが、大塚製薬の「オロナミンC」です。1965年から販売され、これからもびんでやっていこうと決めています。 

 

こだわりその1、「品質保持」。茶色のびんで光を遮ることで、ビタミンなど成分変化を防止しているそうです。 

 

こだわりその2、「リサイクル」。回収したびんから生産しています。「びん回収→原料調合・溶解→びん形成→店頭」を繰り返しているということです。 

 

大塚製薬 広報担当者 

「現時点では(缶・ペットボトルに)変更予定はありません」 

 

オロナミンCは、この茶色のびんのままいく、と言っていました。 

 

井上キャスター: 

撤退するにせよ、続けるにせよ、企業努力がその裏にある。 

 

産婦人科医 宋美玄さん: 

びんだから、エコで安いというわけでもなく、やはり行きどころが難しいんですね。 

 

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