( 152331 )  2024/03/24 12:20:15  
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元横綱・白鵬の宮城野親方が部屋の元幕内北青鵬による後輩への暴行事件で処分を受け、3ヵ月の報酬減額と2階級降格が科された。

宮城野部屋の浅香山部屋への吸収合併が報じられ、部屋の閉鎖が現実味を帯びている。

この処分に反対するオンライン署名が行われ、茂木健一郎氏は処分が厳しすぎると指摘。

茂木氏は宮城野親方の才能を尊重し、協会の対応を問題視しており、国家への影響も危惧している。

相撲協会の処分について公平なジャッジを望む声もあり、協会の決定が適切なのか、それとも追放に向けた制裁か、議論が巻き起こっている。

(要約)

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写真提供: 現代ビジネス 

 

 元横綱・白鵬の宮城野親方が土俵際に立たされている。 

 

 親方を務める宮城野部屋において、元幕内北青鵬による後輩への暴行が発覚した問題。監督責任を問われた宮城野親方に3ヵ月の報酬減額と、7階級ある中で3番目に重い処分である「2階級降格」が科された。また、宮城野部屋が浅香山部屋に吸収合併される動きも報じられており、宮城野部屋閉鎖が現実味を帯びてきた。 

 

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 今回の宮城野親方への厳しい処分に対して、相撲協会による厳しい締め出しではないかとの声も挙がり、「現役力士と未来の力士の意思が尊重される事を祈りつつ、今回の宮城野部屋閉鎖という処遇への断固反対を訴えます」と綴られたオンライン署名には多くの賛同が集まっている状況だ。 

 

 協会による宮城野親方への「イジメ」とも取れる一連の処分に“物言い”をつける著名人もいる。好角家であり、現役時代の取り組みを数多く見てきたという、脳科学者の茂木健一郎氏はこう語る。 

 

 「今回の協会の厳しい処分には違和感を覚えたと同時に、予想できることでもありました。相撲界の一部に、宮城野親方の立ち居振る舞いを快く思わない方々がいることは明らかです。 

 

 確かに、大横綱の振る舞いが100点満点だったとは思いませんが、欠点に見える部分を含めて、彼は相撲の新しい可能性を示してくれたのではないでしょうか。多くのファンに夢と感動を与え、大記録を残した宮城野親方に対して、相撲協会のアレルギー反応は行き過ぎだし、処分は厳しすぎると感じます」 

 

 角界での暴行事件はこれまでも度々報じられてきた。2011年には元関脇・栃乃和歌(春日野親方)が弟子3人に対して暴行を加えたことが報じられたが、その際の処分は「厳重注意」のみ。今回の宮城野親方への“制裁”ともとれる処分を考えると、明らかに公平ではないという意見もある。茂木氏は、宮城野親方追放の流れについて、国外への影響を危惧する。 

 

 「指導者としてもすぐれた資質をお持ちの宮城野親方の将来が閉ざされてしまうことは、相撲界にとって大きな損失になる。私が特に心配するのは、相撲協会がフェアではないという認識が国内外、とりわけ海外で広がることです。 

 

 国技館に行けばわかるように、最近は外国からのお客さんが本当に多い。相撲が今や世界的に注目を浴びるコンテンツになっている中、宮城野親方に理不尽な処分をして、ましてや無理やり相撲界から追放するなどの動きがあれば、国外のファンから、相撲協会の閉鎖的な体質に対してブーイングが起こるのではないでしょうか。 

 

 日本のメディアだけでなく、たとえば、BBCやニューヨーク・タイムズが報道したら、果たして相撲協会は説明責任を果たせるのか」 

 

 

 さらに茂木氏は、今回の相撲協会の対応を「禁じ手」とし、公平なジャッジを望むと話す。 

 

 「今や、日本は世界的に注目される文化大国であり、相撲協会の方々が、伝統文化としての大相撲をこれまで守り続けてきたことには心からの敬意を表します。また、伝統的な価値観、美意識を尊重することに対しても特に異議を唱えるものではありません。 

 

 しかし、大相撲がこれだけ世界的に注目される存在になった今、宮城野親方の処遇についてもフェアな精神を保つことが相撲協会にとっての“横綱相撲”になるのではないか。今回の処分はまるで“初っ切り”で披露される髷をつかむなどの禁じ手のように感じます。相撲協会が正式な処分という“本場所”で、理不尽な処分という禁じ手をやっては、大相撲の名が泣くのではないか」 

 

 相撲協会による処分は妥当か、それとも追放に向けた“禁じ手”か。追放の流れは強まるばかりだが、宮城野親方の粘りに期待したい。 

 

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 【つづきを読む】『「部屋の閉鎖は異例」…デーモン閣下が語る「宮城野親方への処分」の違和感』 

 

週刊現代(講談社) 

 

 

 
 

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