( 153158 ) 2024/03/26 14:21:32 0 00 前提が崩れ、更なる「円安」が…(日銀の植田和男総裁=中央)/(C)日刊ゲンダイ
日銀の植田総裁も真っ青になっているのではないか。もう一段「円安」が進む恐れが出てきたからだ。
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米FRBは、20日まで開いていた連邦公開市場委員会で年内に3回利下げをするとの想定を維持していたが、米アトランタ地区連銀のボスティック総裁が22日、FRBの今年の利下げは1回にとどまるとの見方を示した。
FRBが年内に3回、利下げをすれば、日米の金利差が縮まり「円高」になるとみられていたが、利下げが1回だけになれば、前提が崩れ、さらに円安が進行する可能性がある。経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
■物価高は加速
「アメリカのインフレは予想以上にしつこくて、うかつに利下げできないのでしょう。実際、人件費増をカバーするために、サービス価格が5%も上昇してしまい、なかなか物価高が収まらない状態です。FRBのパウエル議長は、景気を優先したいホワイトハウスから“利下げ圧力”を受けるでしょうが、利下げをしたら物価上昇に拍車がかかる恐れがあるだけに、FRBの内部では利下げムードは弱まっています」
円ドルの為替相場は、日本銀行が19日「異次元緩和」と決別し、マイナス金利を解除したにもかかわらず、1ドル=151円台という異常な円安がつづいている。
もしFRBの利下げが、マーケットが想定していた3回から1回に減ったら為替はどうなるのか。1ドル=160円との見方も出ている。財務省が為替介入するメドとされている1ドル=152円、いわゆる「神田シーリング」を軽く突破する円安水準である。
「日銀がマイナス金利を解除しても円高に振れなかったのは、植田総裁が極度に“円高・株安”を心配して、マーケットに『金融緩和的な環境はつづく』というメッセージを送ってしまったからです。市場は安心して円を売っている。円安を修正するためにも、日銀は年内に2回、利上げをするのではないか。もし、日銀が金融引き締めに動かなかったら、為替は1ドル=155円まで円安が進む可能性があります」(斎藤満氏)
インフレが止まらず、実質賃金は22カ月連続、マイナスがつづいている。いまでも庶民は物価高に苦しんでいるのに、これ以上、円安が進んだらニッチもサッチもいかなくなってしまう。
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