( 155696 )  2024/04/03 00:15:26  
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2024年度のCEV補助金制度が発表され、補助金の計算方法が変更された。

テスラは独自の補助金20万円を提供し、他の自動車メーカーに対抗している。

補助金の上限額は85万円で、対象車種にはテスラのモデル3が含まれている。

2024年度は製造会社の取り組み度合いも考慮され、輸入車メーカーには厳しい制度となっている。

さらに、4月2日、テスラは65万円の補助金対象車種に20万円の補助金を追加している。

(要約)

( 155698 )  2024/04/03 00:15:26  
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ベストカーWeb 

 

 4月1日以降に適用されている2024年度のCEV補助金が発表された。新たな算定方法によって、給付額の上限に変更はないものの、車両本体だけでなく、充電インフラや整備体制など、企業の貢献度を盛り込んだ計算式が採用され、国内展開の歴史が浅い海外ブランドには厳しい内容。そんななか、これに対抗して、なんとテスラは4月2日、独自の補助サポート、20万円を支給するという。 

 

【画像ギャラリー】20万円もテスラが補助するサポート開始!太っ腹!(5枚) 

 

文/ベストカーWeb編集部、写真/テスラ 

 

 経済産業省は、2023年3月19日、2024年度(2024年4月1日以降)のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)を発表した。EV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池車)を対象としたもので、補助金額は昨年度の900億円から大幅に増額され、2023年度の補正予算で1291億円を計上。4月1日以降に登録・届け出した車両から適用される。 

 

 これとは別に、事業者向けの充電・充填インフラ等導入促進補助金として400億円の補正予算が盛り込まれた。 

 

 補助金上限額は最大85万円とし、最低額は12万円と73万円の差をつけた。CEV補助金上限額は、EVが85万円、軽EVが55万円、PHEVが55万円、FCEV(燃料電池車)が255万円。 

 

 2023年度までは充電1回あたりの航続距離など車両性能と、EV自体に災害時に充電設備としての機能があることを要件に37万~85万円だった。 

 

 しかし、2024年度は、充電器の設置や自社の整備工場&提携工場の拠点数、整備する人材の育成といったEVの普及に向けたメーカー側の取り組みを促すため、新たに評価項目と配点の評価基準を設けて、その合計点から算出。この新たな評価基準により、補助金の差は12万~85万円と広がった。 

 

 さらに販売価格が840万円以上の車両は支給額を2割差し引くことに。130点以上であっても85万円ではなく68万円となる。高額なほど補助金額が低いという、輸入車には厳しいCEV補助金制度となった。 

 

 上限額の85万円となったのは、テスラモデル3AWDロングレンジ(他グレードは65万円)、トヨタbz4x全グレード、レクサスUX300e全グレード、レクサスRZ300eバージョン?、レクサスRZ450eバージョン?、日産アリア全グレード、日産リーフ全グレードなど、トヨタ車、レクサス車、日産車が占めているのが目立つ。 

 

 トヨタとスバルの共同開発車であるBEVのトヨタbz4Xとスバルソルテラの補助金額に注目したい。bz4Xは85万円なのに対し、ソルテラは65万円と、20万円もbz4xのほうが高い。中身はほぼ同じなのに、メーカー側の取り組み方の違いで、これだけ差が付いてしまった、ということになる。 

 

 そのほかの車種で目立っているものは、充電インフラ設備やアフターサービス体制の弱い輸入車勢の大幅な減額。補助金減額の目立つ輸入車としては、ジャガーI-PACEが52万円→12万円、ポルシェタイカンが42.4万~52万円→20万円、シトロエンE-C4が65万円→45万円、プジョーe-208が65万円→45万円、アウディe-tronが52万→36万円、ボルボEX30が65万円→45万円。 

 

 中国車と韓国車の減額も目立つ。BYDは、ドルフィンが65万円→35万円、ATTO3が65万円→35万円。ヒョンデもアイオニック5が65万円→45万円(エントリー車は35万円)、コナが65万円→45万円(カジュアルは35万円)。 

 

 

 テスラが販売する車両(モデルS、モデル3、モデルX、モデルY)は、CEV 補助金の対象車両。そのなかでもモデル3 ロングレンジAWD は一充電走行距離の長さ(706 km WLTC モード(国土交通省審査値)を含め、様々な点が評価され、令和5 年度補正予算CEV 補助金の85 万円対象となった。輸入車のなかで85万円対象車両はモデル3 ロングレンジAWDのみ。 

 

 しかし、テスラは一部を除いて販売店舗を持たず、外部給電機能も日本仕様には設定していないのに、他の輸入車メーカーに比べ65万円、上限85万円まで認められているのは、テスラ独自の急速充電器「スーパーチャージャー」が100箇所、490基以上となった点が評価されたのだろう。 

 

 グレード別に見ると、テスラモデル3 AWDロングレンジは上限85万円に増額され、モデル3 RWD、モデルY RWD 、モデルY ロングレンジAWD、モデルY パフォーマンスは65万円(変更なし)となっており、20万円の差が付けられていた。 

 

 そんな状況のなか、4月2日、テスラは65万円のCEV補助金対象モデルである、モデル3 RWD、モデルY RWD、モデルY ロングレンジAWD、モデルY パフォーマンスの4モデルについて、20万円の補助金サポートを行うと発表した。つまり、CEV補助金65万円にプラスして、テスラ独自の補助金サポート20万円が加算され、実質85万円引きということになる。 

 

 価格調整後のCEV補助金を含まない車両本体価格は、モデル3 RWD=541万3000円~、モデル3 ロングレンジAWD=651万9000円~、モデル Y RWD=543万7000円~、モデル Y ロングレンジAWD=632万6000円~、モデル Yパフォーマンス=707万9000円~。 

 

最安のモデル3 RWDは65万円のCEV補助金を得ることができるため、補助金を引くと、実質476万3000円となる。これは大きい! 

 

 さらにモデルYにはボディカラーが一部変更されるとともに新色が追加され、モデル S、モデル X でも好評なウルトラレッドとステルスグレーに加えて、モデルY限定カラーとなるクイックシルバーが選択できるようになった。 

 

 BYDはドルフィンが65万円→35万円、ATTO3が65万円→35万円と大幅減額となったが、BYDは2024年4月1日~6月30日まで、ローン金利0%キャンペーンを実施して対抗。ちなみに2024年3月のBYDの販売台数は351台を記録し、販売絶好調とのこと。 

 

今後、各輸入車メーカーが、減額されたCEV補助金に対して、どのような対策を打ち出してくるのか、注目だ。 

 

 

 
 

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