( 156831 )  2024/04/06 13:54:06  
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ゴールデンウィークまで1か月を切り、海外旅行を考える人は多い。

航空券の価格が上がっている現状で、日本から直行便以外を検討することがお得かもしれない。

航空アナリストの話によると、コロナ禍前は安い航空券で気軽に旅行していたが、最近は明確な目的を持った旅行が増えている。

特に、韓国経由での航空券はお得であり、日本の地方空港からソウル経由でヨーロッパやアメリカに行くルートが注目されている。

中国経由も安くなるが、ビザの必要性があるため注意が必要。

ハワイへの直行便も価格が下がっているため、航空券は安いが、現地での滞在費用が高い。

(要約)

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ゴールデンウィークまで1か月を切り、海外旅行を検討している人は多いかもしれない。だが、航空券を調べると、やはり価格は上がっている。歴史的な円安で、現地の滞在費用もかさむ今、せめて航空券代だけは抑えたい。そんな時は、日本からの直行便以外に目を向けると良いかもしれない。どうしたら航空券を安くとれるのか、そもそもなぜ安く行ける方法があるのか、専門家に聞いた。 

 

【写真で解説】韓国・仁川空港経由だとお得?力を入れているのは『日本の地方空港⇒ソウル⇒ヨーロッパやアメリカ』ルート 

 

■「海外で○○したい」海外旅行に目的意識を持つ人が増加? 

 

「コロナ禍が明けて、格安航空券が格安じゃなくなっている」。こう話すのは、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんだ。 

 

鳥海高太朗さん 

「ひと昔前だったら、アメリカ・ロサンゼルスの往復航空券が10万円以下で買えることもありました。ところが今は、原油の高騰や物価高で航空券の価格が上がっています。しかし、世界では所得も上昇しているので、航空券の価格が高くても世界的には売れている状況です。いわゆる需給のバランスと言うところで、日本人にとっては高い状況になっています」 

 

なかなか気軽に海外旅行に行くのが難しいご時世ということか。鳥海さんによると、コロナ禍前は「航空券が安いから」「時間が空いたので」といった漠然とした理由で海外に行く人もいたが、最近の傾向としては「韓国でアイドルのコンサートに」「ニューヨークで美術館に」といった明確な目的を持った人ばかりで、ふらっと行く人は減少したという。 

 

鳥海さんは「海外旅行が気軽に行けるものから贅沢品に戻ってしまった」と分析する。 

 

■韓国・仁川空港経由だとお得?「乗り継ぎで顧客獲得」の狙い 

 

それでも、価格を抑えてどうにか海外に行きたいという人もいるだろう。おすすめなのが、韓国経由でチケットをとるという手段だという。 

 

鳥海高太朗さん 

「韓国・仁川空港経由は、日本発の直行便に比べると少しお得になる場合があります。ヨーロッパに行く場合、日本のエアラインで行くより往復で5万円以上安くなることも」 

 

時期や行き先にもよるというが、ソウル近郊にある韓国最大の仁川空港を経由するだけで、それだけ節約できるというのはどういうことなのか。 

 

「これには韓国の航空会社の戦略があります。韓国の人口は日本より少ないので、乗り継ぎでお客さんをとっていきたいという狙いがある。乗り継ぎの手間がある分、安く提供し、顧客を獲得したいという狙いがあるのではないか。韓国の航空会社が力を入れているのは『日本の地方空港⇒ソウル⇒ヨーロッパやアメリカ』というルートです」 

 

 

札幌や青森など、日本の12空港に就航している大韓航空の広報に話を聞くと、「ソウル経由は大変便利」と太鼓判を押す。 

 

大韓航空・広報 

「仁川空港は、日本だけでなく、中国や東南アジアからの乗り継ぎも見据えてフライトのスケジューリングがされているので、乗り継ぎがしやすくなっています。空港内の移動も簡単です」 

 

現在は、日本からの乗り継ぎだけではなく、日本に向かうインバウンドの乗り継ぎでも盛況だという仁川空港。特に西日本から出発する人は、羽田経由よりも、ソウルを経由して海外に行く方が簡単だという。 

 

──なるほど、では仁川経由が一番“お得”なんですね。 

 

鳥海高太朗さん 

「いえ、仁川経由がぶっちぎりで安いわけではありません。“割安”なものが出ているのは事実ですが」 

 

──では、どこ経由が一番お得なのでしょうか? 

 

「価格だけで言えば、一番安いのは中国経由です。ヨーロッパに行く際、中国の航空会社だとロシアの上空を飛べるので、そこが大きいです。現在、日本やヨーロッパの航空会社はロシアの上空を飛べないので…」 

 

航空券の価格比較サイトでGWのロンドン行きの価格を比較すると、日本の航空会社の直行便は往復で20万円ほど。一方、中国の航空会社を使い、上海で乗り継ぐと往復で16万円ほどなので、約4万円安くなる。 

 

しかし、中国は基本的にはビザが必要となるので、ビザの要件は事前に調べるなど注意が必要だ。 

 

■GWの“意外と”お得な行先は…まさかのハワイ 

 

「経由」には、料金が安いというメリットのほかにも、あえて時間をとることで、乗り換え地で買い物や観光を楽しめるという利点もある。一方で、どんな注意点があるのだろうか。 

 

鳥海高太朗さん 

「乗り換えがあるので、便が遅れると乗り換えられない、トラブルが起きた際に帰れなくなるかもしれないなどのリスク管理が必要になってきます。ほかにも、直行便に比べて飛行時間も長くなるわけですから、目的地での滞在時間が短くなるというのはデメリットですね」 

 

──最後に…GWが迫っています。直行便・乗り継ぎ便含め、航空券が意外と安い、おすすめの海外はどこでしょうか? 

 

「航空券の価格が単純に下がっているのはハワイの直行便です。日本・ハワイ間の便数は増えていますが、現地でお金がかかるので、日本人の戻りが鈍いためです。海沿いじゃなく、安いホテルをうまく探して現地での滞在費を抑えれば、GWのハワイへの航空券は決して高くない」 

 

調べると、ハワイへの直行便は往復で10万円ほど。GWの翌週、翌々週と比べても価格に変動はないことからも、GWだからという理由で値上がりはしていないようだ。 

 

現地での物価が高いのが難点だが、航空券は上がっていないというハワイ便。海を眺めながらボーっとできたら最高だ。 

 

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