( 157136 )  2024/04/07 14:06:23  
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- 運転の不文律やあおり運転についての記事。

ドライブレコーダーが欠かせないと述べられ、あおり運転がなくなったとは考えられない。

2023年のあおり運転実態調査では、約53.5%のドライバーがあおり運転を経験し、制限速度で走行していた(23.5%)やスピードが遅かった(22.4%)などが理由として挙げられていた。

 

- 2020年にあおり運転に対する罰則が設けられ、懲役刑や運転免許の取り消しのリスクがある。

典型的なあおり運転のひとつである「車間距離不保持」は、警察庁が発表した結果、2023年に5527件の件数があった。

 

- 英国では、高速道路管理局があおり運転による死傷事故が12.5%であると報告。

「運転はゲームじゃない」と呼びかけており、2020年から2021年にかけて人工知能監視カメラがあおり運転の摘発を行い、結果として6万343件の車間距離不保持や1万994人の再犯者が確認されている。

 

- また、英国ではあおり運転は不注意運転に分類され、罰金や減点が課せられる。

ドライバーの約23%があおり運転をしているという調査結果が示され、専門家はその背景にはストレスや育ち方など様々な要因があると指摘している。

(要約)

( 157138 )  2024/04/07 14:06:23  
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あおり運転対策に欠かせないドライブレコーダー(画像:写真AC) 

 

 教習所では教わらないが、「車の流れを妨げないよう、ときには制限速度以上で走る」という運転の不文律がある。 

 

【画像】えっ…! これが60年前の「海老名サービスエリア」です(計15枚) 

 

 筆者(鳴海汐、日英比較ライター)の母は制限速度を守るタイプだが、筆者が同乗するとかなりの確率で 

 

「また後ろに車がぴったりついてきてる」 

 

といい出す。たしかに、車がかなり近くに来ている。スピードメーターを見ると、こちらの車の速度は制限速度ジャストだ。遅いならまだしも、理不尽ではないか。 

 

あおり運転が減少したとは思わない理由。「2023年あおり運転実態調査」より(画像:チューリッヒ保険会社) 

 

 チューリッヒ保険会社(東京都中野区)が全国のドライバー2230人に「2023年あおり運転実態調査」を行ったところ、「あおり運転をされた経験がある」と回答したドライバーは53.5%だった。された側として理由を想像してもらったところ、 

 

・制限速度で走っていた(23.5%) 

・スピードが遅かった(22.4%) 

 

が上位1位、2位だった。 

 

・追い越しをした(16.3%) 

・合流をした(14.3%) 

・車線変更をした(12.2%) 

 

といった行動によるものもあるが、なかには、 

 

・自分が相手より、おとなしそう、弱そうに見られた(5.1%) 

・車種を見て(4.1%) 

 

といった悲しいものもあったが、たしかにありそうなことだ。 

 

 2020年6月に妨害運転(あおり運転)に対する罰則ができたので、「他の車両等の通行を妨害する目的で、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反を行うこと」は、最大で懲役3年、「著しい交通の危険を生じさせた場合」は最大で懲役5年の刑である。さらに、「運転免許取り消し」のリスクもある。 

 

 あおり運転のなかで典型的なものは「車間距離不保持」だが、警察庁が発表した「高速道路における道路交通法違反取締り状況」では、 

 

・2023年:5527件 

・2022年:5213件 

 

だった。実際に発生している件数は、一般道も含め、相当な数にのぼるだろう。 

 

ドライバー(画像:写真AC) 

 

 あおり運転については、英国にさまざまなデータがあるので紹介したい。高速道路管理局は、国内の主要道路での死傷者の 

 

「8人にひとり(12.5%)」 

 

はあおり運転が原因だったと報告している。 

 

「運転はゲームじゃない。あおり運転が衝突を起こす。現実世界では、予備の人生はない」と訴える。 

 

 あおり運転はどれだけ発生しているのか。同局は、試験的にノーサンプトン近郊の高速道路M1沿いに人工知能(AI)監視カメラを1年間(2020年10月から2021年9月まで)設置した。 

 

 カメラは、6万343件の車間距離不保持を検出した。また、再犯者が1万994人いたことを確認した。ただ1か所のカメラでこの数なので、全国的にはものすごい数になる。 

 

 2022年1月から、あおり運転は不注意運転に分類され、100ポンド(約1万9190円)の罰金と3点の減点が課せられることになった。 

 

 AI監視カメラで片っ端から摘発していけば、減る可能性が高いが、現段階では中央車線の独り占めやあおり運転撲滅キャンペーンを2024年3月8日から行っている。ラジオやテレビの広告、ポッドキャスト、道路脇の看板、高速道路のサービスステーション、大型ショッピングセンター、大型ショッピングセンターやガソリンスタンドのポスター、そしてソーシャルメディアで訴求する。 

 

 

車に貼られたステッカー(画像:写真AC) 

 

 いったいどれだけの人があおり運転をする側にいるのか。 

 

 同局が発表した16~75歳の成人2500人を対象とした調査によれば、ドライバーの 

 

「ほぼ4分の1(23%)」 

 

が、少なくとも時々あおり運転をしていることを認めている(2024年3月8日付け、『RAC』)。 

 

 神経言語学の専門家レベッカ・ロックウッド氏は、あおり運転をやってしまう人たちの背景について、いくつか示唆している(2023年5月5日付け『STARTRESCUE.CO.UK』)。 

 

・生活上の他のストレスが運転習慣に波及する可能性 

・両親があおり運転するのを見て育ち、それに倣う可能性 

・他の車に実際の人間が乗っていることを忘れてしまう可能性 

 

なんともいい難いが、日本自動車連盟(JAF)のような組織であるRACの交通安全広報担当者であるロッド・デニス氏は、あおり運転撲滅のために人々が変わる必要があると訴える。 

 

「簡単にいえば、中央車線での独り占めやあおり運転は、単なるドライバーに対する迷惑行為ではなく、道路上の全員を危険にさらすものです。例えば、他のドライバーのすぐ後ろについていると、前のドライバーが何らかの理由で急ブレーキを踏んだ場合、簡単に重大な衝突につながる可能性があります」 

 

「調査対象となったドライバーのほぼ4人にひとりが英国の高速道路や交通量の多い道路でもあおり運転をしているという事実に戦慄(せんりつ)します」 

 

「こうした習慣を直すのが難しいと感じる人もいるかもしれません。しかしだからこそ、このキャンペーンは非常に重要なのです。自身の運転が他の人に与える影響を理解することで、私たちひとりひとりが道路の安全に真の変化をもたらすことができます」 

 

なお、英国でも日本同様、通常は前の車と2秒間隔を開けることを推奨している。 

 

鳴海汐(日英比較ライター) 

 

 

 
 

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