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1990年代のバブル崩壊後に就職活動を始めた1970年~1980年生まれの「就職氷河期世代」が、雇用状況の厳しさや非正規雇用での働き方について語っています。

Twitterでは彼らの実態やメッセージが話題となり、若い世代に向けた警告も行われています。

政府の支援もありますが、就職氷河期世代は困難を経験し、次の世代に同じ経験をさせたくないとの思いが感じられます。

(要約)

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「就職氷河期世代」の人たちが語る実態がXで話題 

 

 1990年代のバブル崩壊後に経済成長が鈍化し、この頃に就職活動を始めた1970年~1980年生まれの人たちは大きく影響を受け「就職氷河期世代」と呼ばれています。 

 

(画像)「就職氷河期世代」の人たちが語る実態がXで話題 

 

 雇用状況の厳しさから希望する職に就けず、不本意ながら非正規雇用で働く人も多く、その影響は現代まで尾を引いています。 

 

 X(Twitter)では就職氷河期世代の人たちが語る実態や、若い世代に訴える切実なメッセージが投稿され、たびたび話題となっています。 

 

 ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド【J-CAST出張版】」、今回は「就職氷河期世代」について掘り下げます。 

 

■「その先は地獄だぞ」 あえて非正規雇用を選ぶ若者に訴え 

 

 2024年3月4日、日経新聞は総務省の「労働力調査」の結果をもとに、25~34歳のうち、「都合の良い時間に働きたい」ことを理由に、あえて非正規雇用を選ぶ人が増えていると報じました。 

 

 この記事を受け、X上では就職氷河期世代の人たちから「絶対やめろ」との訴えが数多く投稿されました。 

 

「絶対やめとけ」「その先は地獄だぞ」若者のあいだで「あえて非正規」の働き方を選ぶ人が増えているという報道に対する反応 - Togetter 

 

 Xに投稿されたコメントの一部を拾っていくと 

 

「なれるんなら正社員に越したことはない。ワシらの世代をよく見ればおのずとわかるはずなんだが」 

  「その先は地獄だぞとしか言えん」 

  「30年ぐらい前にフリーターがもてはやされたけど、それを信じた人達の大半が今どうなってるかを一緒に伝えるべきでは」 

 

と、強く反対する声が多く挙がっています。 

 

 強い言葉で非正規雇用を選択する風潮にストップをかけているこれらの投稿。こうした声からは、自分たちの苦労を若い世代に味わって欲しくないという思いが感じられます。 

 

 

 現在、政府をあげて就職氷河期世代に向けたさまざまな就労支援が行われていますが、具体的な支援が始まったのは令和元年からでした。しかし、就職氷河期世代にとってはより辛く感じることがあったようです。 

 

 あるXユーザーによる 

 

「(就職氷河期世代は)政府の支援が薄かったことより親世代の無理解の方がきつかったんじゃないかな」 

 

と指摘する投稿には「その通りだった」という声が寄せられていました。 

 

氷河期世代にとっては政府の支援が薄かったことより親世代の「普通」から外れることでダメ人間扱いされることのほうがきつかったのではないか - Togetter 

 

 寄せられた投稿の内容は 

 

「就職試験に落とされて落ち込んでいても、普通にやれば内定はもらえるでしょ、と言われた」 

  「祖父や親や親戚に『普通になれ』と言われるのがつらかった」 

  「仕事に就いても『正社員じゃないの?』といちいち言われたな...」 

 

というように、親や親戚からの理解が得られず、苦しかった思いを吐露するものが中心でした。 

 

 就職氷河期世代の親たちは戦後の高度経済成長期を過ごし、豊かだった時代を経験しています。 

 

 そのため、高校や大学を卒業した後は正社員として就職することが当然と考えており、就職氷河期の真っ只中にいる子どもたちの困難を理解しにくかったのかもしれません。 

 

 一方で、若い世代からは困難な時代を耐えてきた人たちの能力の高さを評価する声も出ているようです。 

 

 自身を「ゆとり世代」と言うXユーザーが「就職氷河期を生き残ってきた精鋭の先輩と私を比べないで」と訴えた投稿が拡散されたことがありました。 

 

上司!私と先輩を比べないで!その人は伝説の「氷河期世代の生き残り」よ。私と一緒にするんじゃないわよ→共感の体験談が続々と... - Togetter 

 

 そのユーザーは、就職氷河期世代の先輩について「氷河期の寒波のせいで、安月給でしょぼい弊社に流れ着いてきた...。普通なら出会えなかったはずの人材」と評しています。 

 

 さらには、就職氷河期の就活について「"氷河期の就活"という特殊カリキュラムを受けている。一部の精鋭しか潜り抜けられなかったという幻の訓練」とたとえていました。 

 

 この投稿に対し、職場で出会った就職氷河期世代の人たちのエピソードとともに語る反応が集まりました。 

 

「うちの上司が氷河期世代ど真ん中で、なぜかうちに転職してきた"できる"人。部下に求めるレベルが高い高い...まじで勘弁してくれ...こっちはゆとりなんだ...」 

  「現場は派遣やパート、アルバイトで回してるけど、氷河期世代の非正規の人達は能力高い人が多くてありがたい」 

 

 このような仕事能力の高さを評価する声が集まっています。 

 

 また、「氷河期の就職」について当時の様子を語る投稿もあります。 

 

「大手財閥系の企業でも、全国で採用者数が一ケタというのも普通だった」 

  「俺が『落ちた』経験だと、込み17万の事務職で20倍、時給600円の海岸清掃で2倍だったかなー」 

  「その氷河期世代は未だに氷河期よ...!年齢と実績があってないからって昨年だけで100社近く(断られた)」 

 

 どのコメントも、今では信じられないほど過酷な内容が見受けられました。 

 

 就職氷河期世代に向けた政府の支援策は令和6年の現在も続いています。 

 

 内閣官房の「就職氷河期世代支援プログラム」の資料によると、不本意ながら非正規雇用で働いている人たちは少なくとも50万人おり、現在もさまざまな課題に直面しているそうです。 

 

 X上で就職氷河期世代の人たちが当時の過酷さを語っているのは、経験した困難を次の世代に持ち越したくないと考えているからこそなのかもしれません。 

 

 以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド【J-CAST出張版】」でした。今回紹介したTogetterまとめを振り返りたい方はこちらからどうぞ。次回もお楽しみに。 

 

「絶対やめとけ」「その先は地獄だぞ」若者のあいだで「あえて非正規」の働き方を選ぶ人が増えているという報道に対する反応 - Togetter 

 

氷河期世代にとっては政府の支援が薄かったことより親世代の「普通」から外れることでダメ人間扱いされることのほうがきつかったのではないか - Togetter 

 

上司!私と先輩を比べないで!その人は伝説の「氷河期世代の生き残り」よ。私と一緒にするんじゃないわよ→共感の体験談が続々と... - Togetter 

 

 

 
 

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