( 158033 )  2024/04/09 23:43:37  
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JR東日本の喜瀬陽一社長が、京葉線のダイヤ改正について、来年度の改正を待たずに柔軟に対応する方針を明らかにした。

沿線自治体などが通勤快速の復活を求めている中、改正後の混雑状況について一定の平準化がされていると説明。

今後も状況を調査し、地域の要望を考慮して改正に対応する考えを示した。

(要約)

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記者会見に臨むJR東日本の喜勢陽一社長=9日、東京都内 

 

JR東日本の喜勢陽一社長(59)は9日、京葉線のダイヤ再改正について、沿線自治体などとの対話を重ねたうえで来年度のダイヤ改正を待たず、柔軟に対応する方針を明らかにした。東京都渋谷区の同社本社で行われた社長就任後初の定例記者会見で語った。改正には時間がかかり、調整も必要なことから再改正は早ければ今秋になるとみられる。また、喜勢社長は3月16日の改正後の混雑状況に関し、現時点では一定程度、平準化されているとの認識も示した。 

 

【グラフィック】ダイヤ改正後のJR京葉線 

 

京葉線は3月の改正で、朝と夕方以降の通勤快速や一部の快速を取りやめ、各駅停車に変更した。 

 

これに対し、千葉市など沿線自治体は利便性が悪くなるといった理由から反発し、改正後も通勤快速の復活を求めている。 

 

喜勢社長は会見で、改正前、通勤快速があった前後2本の各駅停車の混雑率について「改正前には80%から140%だったのが、改正後は110%。一定の平準化された数字が出ている」と明かした。 

 

JRは快速縮小の目的の1つに「混雑の平準化」を挙げていた。ダイヤ改正で各駅停車が増えたことで乗客が分散したとみられる。 

 

JRによると、混雑率の調査は、いずれも東京都内の葛西臨海公園駅~新木場駅間で行われた。改正前の3月11~15日と、改正後の同月19、21、22日の通勤ラッシュ時間帯の上りを比べたという。 

 

喜勢社長は調査期間が短いことから「正確なデータではないかもしれないが、全体の輸送量はほぼ変わらず、ボリューム的に下がっている」と語った。今後も利用状況の調査を続ける方針だ。 

 

今後の改正のあり方については「速達性に関する沿線地域の皆さまの要望は受け止めている」との認識を示した。その上で「地域との丁寧な対応を通じ、一定の成案ができたら来年度のダイヤ改正を待つまでもなく柔軟に対応する」と述べた。 

 

ただ、沿線自治体が復活を求める通勤快速については「限られた車両数の中でどう対応できるかを地域の意見を踏まえて検討している」と述べ、通勤快速の復活を前提に対応するわけではないとの考えも示した。 

 

■喜勢陽一(きせ・よういち) 

 

昭和39年8月、千葉市出身。東大法学部卒。平成元年、JR東日本に入社。主に人事畑を歩み、27年に執行役員人事部長。30年に常務取締役総合企画本部長。令和3年に副社長となり、6年4月に社長に就任した。 

 

 

 
 

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