( 158296 ) 2024/04/10 22:04:16 0 00 辞職の届け出を県議会議長へ提出し、会見した静岡県の川勝平太知事=10日午後、静岡市葵区(岩崎叶汰撮影)
新規採用職員への訓示で職業差別ともとれる発言をした静岡県の川勝平太知事が10日、県議会に辞職願を提出した。これまで物議を醸す発言を繰り返しながらもその職にとどまり続けてきたが、今回は多くの非難の声に屈した形となった。記者会見では「『職業差別』という言葉が躍った」と報道の在り方に矛先を向け、〝川勝流〟は崩さなかった。
【写真3枚】「ポスト川勝知事」の候補ら
「(辞意を)表明した以上、直ちに辞任するのが望ましい。なるべく早くと思っていた」
当初は6月の定例県議会で辞職願を提出する意向を示していた川勝氏。提出時期を早めた理由を問われると、手元の資料に視線を落とすことなく、辞職を決意した理由を語り始めた。
自身の発言を契機に県庁に寄せられた苦情や批判などの声はこの10日間で3千件超。川勝氏は「県民に大変なご迷惑がかかっている」と述べる一方で、JR東海が東京・品川と名古屋を結ぶリニア中央新幹線の令和9年開業を断念したことを挙げ「もともとの事業計画が音を立てて崩れた」「これで僕の役割は終わった」と、建設に慎重だった自身の「実績」を誇らしげに語った。
だが、訓示での「野菜を売ったり、牛の世話をしたりとかと違い、皆さまは頭脳、知性が高い人たち」との発言に質問が及ぶと表情を硬くし、「職業に貴賤はない」と釈明。「職業差別ととらえられかねない」と報道されたことで「職業差別する人間だという言論がばっと広がった。これは本意ではない」とも述べた。
辞職願を提出し、「さあどこに骨をうずめるかという心境」と笑顔も見せた川勝氏。訓示での発言は撤回したが、同県御殿場市を揶揄(やゆ)した発言などこれまでの「失言」は撤回しないのかを問われても、黙ってうなずくだけで撤回の意思は見せず、会見場を後にした。(青山博美、宇都木渉、力武崇樹)
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