( 160755 )  2024/04/17 23:53:15  
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政府は、「骨太の方針」において、リニア中央新幹線の全線開業時期を「最速令和19(2037)年」と改めて明示する方向で調整に入った。

これは東京(品川)―大阪間の全線開業時期を堅持するためであり、静岡区間の遅れによる全線開業の懸念もある。

また、政府は財政投融資を活用して早期の全線開業を図る方針を持っており、3兆円の建設資金の貸し出しは既に完了している。

(要約)

( 160757 )  2024/04/17 23:53:15  
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リニア中央新幹線の試験車=山梨県笛吹市(渡辺浩撮影) 

 

政府がリニア中央新幹線の整備計画を巡り、6月に閣議決定する予定の経済財政運営の指針「骨太の方針」に、東京(品川)―大阪間の全線開業時期を「最速令和19(2037)年」と改めて明示する方向で調整に入った。品川―名古屋間の開業延期が決まり、全線開業の遅れが懸念されるが、これまで掲げてきた目標時期の堅持を明確にする。複数の政府関係者が17日、明らかにした。 

 

【イラストでみる】リニア中央新幹線のルート 

 

JR東海はこれまで令和9(2027)年以降に品川―名古屋間を先行開業させるとしてきた。しかし、静岡県の川勝平太知事が環境への影響に懸念を示し、静岡工区の着工が遅れたため、今年3月に令和9年の開通を断念すると発表した。 

 

ただ、川勝氏が職業差別ともとれる発言で5月に辞職するため、工事推進への期待が高まっているが、後れを取り戻すことは容易ではなく、同社幹部は令和19年の全線開業は難しいとの見通しを示す。 

 

政府は平成28年の骨太の方針で、全線開業を当初計画の令和27(2045)年から早めることを念頭に財政投融資の活用検討を明記。昨年の骨太でも「全線開業の前倒しを図るため沿線自治体と連携して、必要な指導・支援を行う」と記載した。建設資金の総額3兆円の貸し出しはすでに完了しており、政府内には「JR東海に安易に開業時期の旗を降ろさせるわけにはいかない」(国土交通省幹部)との声がある。 

 

 

 
 

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