( 161042 )  2024/04/18 16:12:46  
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国産車では少なくなったステーションワゴンについて、輸入車では人気があり、SUVと比較しても使い勝手や実用性が良いことが指摘されています。

ワゴンの魅力は広い荷室と優れた走行性能であり、SUVとの違いは荷物を積むスペースは似ているが、車高や走行性能で異なるとされています。

ただ、最近のSUVはスポーティな走りや快適性を追求し、ワゴンの人気が低下した要因とされています。

ただし、ワゴンは大きな荷室や低い着座位置といった特長があり、選択肢は少ないものの魅力的な車種とされています。

(要約)

( 161044 )  2024/04/18 16:12:46  
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 今や、国産車では少数派となってしまった「ステーションワゴン(以下、ワゴン)」ですが、輸入車ではセダンと同時にワゴンもラインナップされることが一般的となっており、いまでも手堅い需要があるようです。 

 

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広い荷室が魅力のステーションワゴン 

 

 そんなワゴンについてよく考えてみると、ここ数年で主流に躍り出たSUVと比較しても、実は使い勝手や走りでは遜色ないどころか、実用性ではアドバンテージも多く、「SUVよりもワゴンのほうがいいのでは?」という仮説が成り立つのではないでしょうか。 

 

 ワゴンの魅力とはどのようなものなのでしょうか。 

 

 1990年代から2000年あたりはワゴンが全盛でした。各メーカーがワゴンモデルをラインナップし、セダンをベースとした車種のみならず、ワゴンのみの単独車種も数多く登場したのです。 

 

 しかし、いつの間にか車高も頭上空間も広いSUVが主役となり、2024年4月時点で国産ワゴンは数車種にまで減少。スバル「レヴォーグ」とトヨタ「カローラツーリング/カローラフィールダー」に加え、カローラフィールダーをベースとしたミツオカ「リューギ ワゴン」のみとなってしまいました。 

 

 なぜ、そこまでワゴン人気が低迷してしまったのでしょうか。その理由を国産・輸入車を問わず取り扱う自動車販売店のK店長に考察してもらいました。 

 

「現在のニーズは走りの性能より車内の居住空間を重要視する傾向にあります。 

 

 決してワゴンの居住性が悪いというわけではないのでしょうが、SUVのように頭上空間に余裕のある車内空間のほうが快適と思う人が多いのでしょう」 

 

 ワゴンのメリットは、荷物をたくさん積める広いラゲッジスペースを備えつつ、セダンのような低重心で走りが良いという点です。 

 

 一方、近年台頭してきたSUVは、広いラゲッジスペースという点ではワゴンに引けを取りませんが、車高が高く、走行性能ではワゴンにかないませんでした。 

 

 しかしそれは過去の話で、現在はスポーティな走りをウリにするSUVも多く、背の高さが視界の良さや運転のしやすさにつながるなど、魅力を高めています。 

 

 さらにここ数年のアウトドアブームにも後押しされ、キャンプなどの趣味で使うときの機能性やオフロード性能を求める傾向が強まったことによってSUVがさらに支持され、その反面ワゴンが衰退していったといえます。 

 

 

 現在、多くの人がクルマに求める「快適性」や「高い地上最低高」はSUVなどに劣るとしても、ワゴン車ならではの大きなラゲッジスペースや低重心&低い着座位置がアドバンテージとなります。 

 

 また、SUVのようなワイルドなデザインではないかわりに、ラグジュアリーな雰囲気を演出することが可能です。 

 

 このような魅力があるワゴンですが、あえてワゴンを選んだオーナーに話を聞いてみました。 

 

 ホンダ「シャトル ハイブリッド」に乗るHさん(50代・男性)は、SUVからのワゴンに乗り替えたそうです。 

 

「まず大きなポイントは、趣味である釣りの用具を積むのにSUVよりワゴンのほうが圧倒的にラゲッジの容量も大きかったことです。 

 

 また住んでいるマンションの機械式立体駐車場に入るサイズにしたかったこと、シートアレンジしなくても長尺物が問題なく積み込みできること、こういった条件を満たしてくれるのがワゴンでした」 

 

コンパクトながら積載性に優れたホンダ「シャトル」(2022年11月生産終了) 

 

 長尺物にはワゴンのほうが都合が良いことと、マンションなどの集合住宅では機械式立体駐車場のところも多く、背が低いワゴンが適しているというわけです。 

 

「高速道路の長距離移動が多いので、重心が低いのは非常に助かります。 

 

 SUVに乗っていたときは、腰高な印象があり、緩いカーブでも車体が遅れて反応するような感覚でしたが、ワゴンだったら無理なく走れます。 

 

 また、カーブが連続する首都高では明らかにワゴンのほうが安定していると感じています」 

 

「50代ということもあり、自分の年齢では運転しやすいクルマのほうが優先順位が上になり、そうなると重心が低く、挙動がわかりやすいクルマが良くなったのです。 

 

 今乗っているシャトルはワゴンですが2列シートのミニバン並みに積載能力も高く、かつ見た目はコンパクトカー程度にも感じされるほどです。 

 

 5ナンバーサイズですので、どこの有料駐車場でも停められます。 

 

 悪路走破性はあまり試していませんが、よほどの段差がない限り未舗装路でも普通に走ってくれます。 

 

 スタイルには好みがあると思いますが、実用性だけなら間違いなくSUVよりワゴンのほうが優れていると思います」 

 

※ ※ ※ 

 

 快適性や高級感、積載性、走行性能などがバランス良く作られているのがワゴンの強みでしょう。 

 

 悪路走破性は、クロスオーバーのように少し車高を上げればロードクリアランスも確保できます。 

 

 そんな魅力的なワゴン車ですが、残念なのは選択肢が少ないことです。 

 

 前述のように国産ワゴンは数モデルしか存在していません。ただし、中古車だったら国産モデルはたくさんありますし、輸入車まで含めたらさまざまなモデルが選べます。 

 

 SUVに人気が集中する今だからこそ、積極的にワゴンに乗ってみるのも良いかもしれません。 

 

くるまのニュースライター 金田ケイスケ 

 

 

 
 

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