( 161259 )  2024/04/19 02:27:42  
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世界では生成AI技術が急速に進化し、中国では亡くなった人を「復活」させるビジネスが論争を呼んでいる。

生成AIは生前の写真や音声から動画を作成し、亡くなった人と会話ができるようにする。

反対派は、「死者への冒とく」「肖像権の侵害」と批判している。

一方、「永遠に死なない」という夢を持ち、精神的な安らぎを提供すると主張する人々もいる。

(要約)

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世界では今、インプットされたデータから文章や画像などを自動で作り出す「生成AI」の技術が急速に進化しています。こうした中、中国では「生成AI」を使って亡くなった人を「復活」させるビジネスが登場し、論争を呼んでいます。 

 

【画像】コービー・ブライアントさんが中国語を?死者を“復活”AIで論争 

 

■死者を“復活” 利用者は「ニーズを満足させてくれる」 

 

「パパ、ママ、会いに来たよ」 

 

中国のネット上にあふれるこれらの動画。実は、すべて生成AIで「復活」した死者たちです。 

 

生前の写真や音声を元に、AIが動画を作成。 

 

「僕はとっても会いたかったよ。元気なの?」 

 

まるで本人がしゃべっているかのような動画ができあがります。AIが学習することで、本人そっくりの口調で会話をすることもできます。 

 

事故で亡くなった叔父を「復活」させ、祖母と毎日、会話ができるようにした男性は「ニーズを満足させてくれるサービスだと思います」と話します。 

 

張沢偉さん(33)は去年、生成AIで死者を復活させるビジネスを始め、これまでにおよそ1000人の「死者を復活」させてきました。 

 

始めたきっかけは、友達から「お父さんを復活させてほしい」と依頼されたことでした。 

 

張沢偉さん 

「(AIで『復活』した父を見た)友達はとても感情的になり、涙を流しました。自分たちのやっていることは、人助けになるとわかったんです」 

 

これは、張さん自身を再現した動画。およそ1週間で完成し、費用は4000元(約8万円)からです。事故で亡くなった子どもに、もう一度会いたい。古い写真からおじいさんを復活させてほしい。そんな願いが日々、張さんのもとには寄せられるといいます。 

 

■コービー・ブライアントさんが流ちょうな「中国語」を・・・ 

 

一方で、こんな問題も… 

 

「中国のファンのみなさん、こんにちは。コービー・ブライアントです」 

 

2020年に事故で亡くなったアメリカのプロバスケットボール選手、コービー・ブライアントさん。なぜか流ちょうな中国語をしゃべっています。 

 

このように、亡くなった有名人を生成AIで勝手に復活させてしまうケースも相次ぎ、「死者への冒とく」「肖像権の侵害」といった批判があがっているのです。 

 

先ほどの張さんは、悪用されないよう本人や家族の同意をとっているとしたうえで、生成AIの可能性について次のように話します。 

 

生成AIで死者を「復活」 張沢偉さん 

「私は今、人々を救っていると感じます。人々に精神的な安らぎをもたらしているのです。私の夢は、普通の人がデジタルの力で『永遠に死なない』ことを実現することです」 

 

急速に進むAI技術がもたらすのは心の救済か、それとも死者への冒とくか。重い問いを投げかけています。 

 

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