( 161911 )  2024/04/21 01:46:29  
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旧車の魅力はクラシックな外観や乗り味にあり、その維持のために部品の確保が必要不可欠。

ウェザーストリップや外装部品、ガラス、モール類、ダッシュボードなどが特に入手が難しい部品であり、サードパーティー製の部品やオーナーズクラブでの取り組みなどで対処している。

共有部品や汎用部品は比較的手に入りやすいが、専用部品が多いクルマほど難しい。

輸入車は部品の入手が比較的しやすい傾向にあり、数がまとまればメーカーが再生産するケースもある。

専門店や仲間との情報共有が大切。

(要約)

( 161913 )  2024/04/21 01:46:29  
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クラシックな見た目やナマ感のある乗り味がクルマ好きの心をひきつけてやまない旧車。でも、その保守のためには部品の確保が必要不可欠! 旧車に今乗っている人はもちろん、長く今のクルマに乗りたい人も、部品の供給状況についてはよく調べておかなくてはならない。 

 

 1台のクルマはおよそ3万点の部品で構成されているといわれています。そのなかの1つの部品が壊れるだけでクルマが動かなくなることもあります。壊れた部品は修理するか交換するしかありません。そして後者の場合、代わりになる部品を手に入れる必要があります。現行モデルであれば入手するのは比較的容易ですが、旧車ともなればそうはいきません。たいていの場合は欠品&製造廃止のオンパレードです。それでも何とかするしかありません。 

 

【写真】40~50年前の激レアな旧車は普通のクルマとして普段使いできる?? 

 

 今回、そのなかでもとくに純正の新品部品が手に入らないもの、そして比較的手に入りやすいものをピックアップしてみました。 

 

■ウェザーストリップ 

 

 多くの旧車乗りが入手困難に直面するのがウェザーストリップです。「雨の日は乗らないし、ガレージ保管だから洗車も不要!」といい切るオーナーさんもいますが、心配のタネであることは確かです。 

 

 ゴム製品ゆえに経年劣化は避けられず、かといって純正部品はとうの昔に生産終了、製造廃止がお決まりのコース。それでも最近では、旧車専門に部品を取り扱う会社が、人気のモデルや汎用品としてウェザーストリップを独自に生産するようになってきました。 

 

 また、メーカー自身が再生産に踏み切ることもあり、モデルによっては純正の新品部品が手に入るケースも出てきました。また、オーナーズクラブなどが有志で企画し、メンバー内に希望者を募って独自のルートを構築して生産・販売することも実際にあります。 

 

■外装部品 

 

 外装部品も、かなりの確率で純正の新品を手に入れるのが困難なもののひとつです。ネットオークションで程度のいい中古品が売り出されると、文字どおり「札束の殴り合い」状態に。なかでも悲しいのは、知らず知らずのうちに仲間内で共食いをしているケースです。 

 

 サードパーティー製の部品を活用したり、部品取り車を購入していざというときに流用するなど、涙ぐましい努力を重ねるオーナーさんも少なくありません。 

 

■ガラス 

 

 窓ガラスも外装部品と同様です。古いクルマであればほぼ新品の純正部品は手に入りません。そのため、フルレストアをしてもガラスは流用するケースも珍しくありません。 

 

 しかし、フロントガラスの飛び石をはじめ、思わぬすり傷や経年劣化による曇りなど、ダメージを受けた場合のリペアが難しく、交換になる場合もあります。ここでもサードパーティー製のガラスが救世主となることも。 

 

 

■モール類 

 

 ガラスを交換するなら一緒にモール類も新品に……と思いきや、欠品&製造廃止というケースが多々あります。この部分が劣化していると他の部分がビシッとしていても古くさく見えてしまうものです。基本的にはそのモデルの専用部品なので流用は困難。 

 

 ネットオークションで未使用品が出品されると、ここでも札束の殴り合い。再塗装するなり、そのまま目をつぶって流用するなど、目に付きやすいものでありながら、一定の妥協が求められる部品でもあります。 

 

■ダッシュボード 

 

 高温多湿な室内かつ長期に渡り紫外線を浴びつづけるなど、常に過酷な環境におかれているダッシュボード。その結果、ビスで固定されている部分などからクラックが入り、振動とともにそのヒビが広がり……(涙)というケースが多々あります。しかし悲しいかな、たいていのダッシュボードは製造廃止となり、在庫もゼロに。そのため、ネットオークションでは常に争奪戦(ここでも札束の殴り合い)が繰り広げられている部品のひとつです。 

 

 ときどき誤解されますが、多くの場合、ダッシュボードカバーはドレスアップアイテムとしてだけではなく、ダッシュボードの劣化を保護するためのものでもあるんです。 

 

■エンジンなどの共有部品 

 

 輸出されたモデルや長期間に渡って生産されたモデルなど、生産台数や派生モデルが多い場合、エンジンやブレーキなどの共有部品が細々と生産されている例があります。 

 

■汎用部品 

 

 多くのモデルで共通して使用している部品=汎用性が高い部品ほど手に入る確率が上がります。裏を返せば、専用部品が多いクルマほど製造廃止や欠品になっていることが多く、入手が極めて困難となります。 

 

■輸入車 

 

 意外に思われるかもしれませんが、国産車よりも輸入車の方が比較的部品が手に入りやすい傾向にあります。それにはいくつかの理由がります。ひとつは「世界中でクルマや部品が流通している」ため。定期的に部品を再生産したり、メーカーやモデルによってはクラシック部門を立ち上げ、積極的にレストアを行っている例もあります。 

 

 また、仮にメーカーが生産を打ち切っても、サードパーティー製にも目を向ければ手に入る確率がグッと上がります。そのほか、eBayを活用することで網を張っていれば見つかる確率が上がります。ただし、現在の円安では送料も含めると、輸入する際に割高になってしまうのが難点です。 

 

■まとめ:注文数がまとまった時点でメーカーがしれっと再生産することも 

 

 確率としては決して高いとはいえませんが、ある時期までは欠品であっても、いつの間にか再生産されて「在庫あり」になっているケースがあります。いつ、どのタイミングで再生産されるのかは関係者以外が知るのは困難。あとは、いち早く「在庫あり」の情報を知り得るか。それには専門店との密接な付き合いや、同じクルマを所有する仲間との情報網が鍵となります。 

 

松村 透 

 

 

 
 

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