( 162897 )  2024/04/24 01:31:24  
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小池百合子都知事の「学歴詐称疑惑」に関連し、元側近の小島敏郎弁護士が刑事告発を示唆。

小池氏は対処方法を考えると表明。

刑事告発や民事訴訟が注目されるが、勝ち目はどちらにあるのか。

元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士に解説を求められている。

(要約)

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小池百合子都知事=16日午前、東京都江東区(岩崎叶汰撮影、画像の一部を処理しています) 

 

小池百合子都知事の「学歴詐称疑惑」がくすぶっている。元側近で弁護士の小島敏郎氏は、公職選挙法違反での刑事告発を示唆した。これに対し、小池氏は19日の記者会見で「対処方法については考えていきたい」と述べた。白黒をつけるためにも刑事告発や民事訴訟が注目されるが、勝ち目はどちらにあるのか。小池氏の「希望の党」旗揚げに参加した経験も持つ、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士に見解を尋ねた。 

 

【写真】小池百合子都知事のカイロ大の卒業証書と卒業証明書 

 

◇民事訴訟ならどうなるか「希望の党」盟友、若狭氏が解説 

 

小島氏は17日、日本外国特派員協会の記者会見で、7月の都知事選に小池氏が「カイロ大学卒業」を経歴に盛り込んで立候補した場合、刑事告発すると明言した。小島氏は「(小池氏は卒業証書や卒業証明書は公開しているが)卒業の実態を示す証拠はない」と主張した。 

 

このため、記者(海野)は19日の都知事会見で、「見ようによっては知事にボールが回ってきている。放っておけば、疑惑はくすぶり続ける。民事訴訟の考えはないか」と小池氏に質問した。 

 

小池氏は「対処方法については考えていきたい。問題の本質は極めてシンプルです。カイロ大学が卒業を決めた。権限があるのはカイロ大しかない。大学への入学卒業がおかしいという論評があっても、入学、卒業を認める権限がない人の評論になって本質ではない。すでにカイロ大そのものに確認問い合わせをしている方々がたくさんおられる。ここに尽きる。適切な対応を考えてまいる」と答えた。 

 

やはり、法廷で決着を付けるべきではないのか。 

 

若狭氏は「小島氏は誠実な人で自信を持っていると思う」といいながら、「卒業の実態がない」ことの証明には困難が伴うという。 

 

1996年の衆院選に、タレントの野村沙知代さんが新進党から出馬して落選した。99年に繰り上げ当選の可能性が出た際、女優の浅香光代さんが学歴詐称による公選法違反で東京地検に告発した。当時、担当検事を務めたのが若狭氏で「嫌疑不十分で不起訴にした」という。 

 

若狭氏は当時の経緯を踏まえ、刑事告発が行われた場合の捜査について解説する。 

 

 

「仮に、小池氏が正規に卒業していなかったとしても、カイロ大学側で何らかの形で『卒業扱い』『認定』にしている可能性はある。その場合、小池氏が『卒業』と表現しても虚偽事項公表による公選法違反に当たるとは検事も断定しづらい」 

 

小島氏は、小池氏側が名誉毀損(きそん)などで(民事)訴訟を起こすことも視野に入れているとした。 

 

若狭氏は「小池氏側が風向きを変えるため戦略的に民事訴訟を起こすことは考えられる。ただ、公人である政治家の場合、名誉毀損が認められるハードルは高い。また、民事訴訟では原告と被告で証拠や書面をやり取りするが、それが小池氏側に不利に働くこともあり得る。そうしたことを考えると、訴えない可能性が高いのではないか」と指摘した。 (報道部・海野慎介) 

 

 

 
 

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