( 163764 )  2024/04/26 02:29:43  
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引っ越し業者に渡す「心付け」について、古くからの慣習だが今は不要としている業者も多い。

20代のAさんは理解できないとし、心付けは料金に含まれていると考えている。

Bさんはあげる人があげればいいとする一方、Cさんは日常的に差し入れをすることに疑問を持ちつつ、宅配便の人にはあげたいと考えている。

若者たちにとっては古くからの習慣に驚くこともあるようだ。

(要約)

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引っ越し業者に渡す“心づけ”どう思う?(写真:イメージマート) 

 

 引っ越しの作業をしてくれる人たちにねぎらいの意味を込めて、金銭を渡す“心づけ”。昔からの慣習として知られるが、そもそも必ずしも必要なものではなく、引っ越し業者の多くが公式サイト上で「心づけは必要ありません」と明記している。今となっては、心づけを渡す年配者の姿を見たり、「昔は当たり前だった」という話を聞いたりして、驚きを隠せない若者も多いようだ。 

 

【表】「心遣いは必要ございません」「すべてお断りしています」…他、主な引っ越し業者の「作業員への心づけ」についての対応 

 

 メーカー勤務の20代女性・Aさんは、実家の引っ越しの際、母親の業者への対応に驚いたと明かす。 

 

「作業員さんが4人ぐらい来てくれたのですが、明らかに働かない人がいるんです(笑)。それでも母はペットボトルのお茶を何本も差し入れし、最後に作業のリーダー格みたいな人に何か封筒を渡していたんです。何か聞いたら、チップ的なものだという説明でしたが、正直働かない人がいるせいで時間もムダにかかったのに……と、怒りさえ覚えました」 

 

 引っ越し業者に心づけを渡す行為を、Aさんは「理解できない」と首を傾げる。 

 

「いろいろな引っ越し業者に見積りを取って、少しでも安いところを選んだのに、心づけを渡したら意味がないと思うんです。引っ越し料金には人件費が含まれているんだから、わざわざ追加でこちらが差し入れという形で経費を負担し、さらにお金を渡す意味がわかりません」(Aさん) 

 

 IT企業勤務の20代男性・Bさんは、実家から引っ越す際に、両親や祖父母世代から心づけの慣習を聞かされた。 

 

「両親は引っ越しの際に、スタッフ1人あたり1000~2000円程度で渡していたそうです。人数がわかっている場合は個別にポチ袋に用意したこともあったとのこと。70代の祖父母は、引っ越し業者の分まで寿司やそばを出前で注文し、一緒に食べたそうです。牧歌的な時代だったんだな、と思いました」 

 

 心づけについて、Bさんは「あげたい人があげればいい」というスタンスだ。 

 

「地元の業者さんとかなら一緒にご飯を食べたり、お小遣い的に渡すのもわかるんですよね。なんかあった時に、親しくなっていたほうがメリットがあるかもしれないじゃないですか。だけど、確実に一期一会で、もう会うこともないだろう引っ越し業者の人にチップを渡すメリットはあまり感じられないですね。 

 

 ウーバーイーツでもチップ制はあるので、そういうシステムの存在自体は否定しません。あげたい人はどんどんあげていいと思いますよ。僕は渡しませんが、結局その場限りの関係なので、ケチだと思われても全然構いません」 

 

 

 不動産会社勤務の30代女性・Cさんは、「むしろ日常で宅配便を配達してくれる人にあげたいと思うことがある」と語る。 

 

「実家では引っ越し時だけでなく、屋根の修理や外壁塗装など、家に来る業者さんにはもれなくお茶とお菓子を出し、最後には心づけを渡していました。 

 

 何日にもわたる作業をお願いする業者さんなので、気持ちよく作業をしてほしいという狙いはわかりますが、母は『このお菓子は昨日も出したし……』と、毎日の茶菓子に苦心していました。その姿を見て、“一回やったら毎日やらないと変な感じになるから、いっそやらないほうがラクなのに”なんて思っていました。最終日の心づけに関しても、新札とかポチ袋とか用意していて、今思えばなんであそこまでやっていたんでしょうね。 

 

 私は基本、業者さんにそういった差し入れやチップは渡しませんが、日常生活で、台風や猛暑のなか配達してくれる宅配便の人には缶コーヒーか何かあげたいなと思ったことはあります。ただ、貰う方も警戒するかなと思って、今まであげたことはないです」 

 

 心づけを「追加料金」と捉える声もあり、古くからの引っ越し事情に驚く若者世代も少なくないようだ。(了) 

 

 

 
 

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