( 164184 )  2024/04/27 02:10:13  
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日本銀行は26日の金融政策決定会合で、金融政策を現状維持することを決定した。

円安への対応が焦点となるなか、円が急落し、3月のニューヨーク市場で34年ぶりの高値を記録した。

会合後の記者会見で、日銀の植田和男総裁は、物価の上昇に円安が大きな影響を与えていないと述べた。

金融政策の判断材料として為替の変動を考慮する考えを示した。

日銀は、前回の会合で大規模な金融緩和策を終了し、今回は長期国債の買い入れ方針を維持した。

物価の見通しは上方修正され、2%の目標に向けて確度が上がっているとした植田氏は、政策金利を引き上げる可能性を示唆したが、具体的な時期については難しいと述べた。

(要約)

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金融政策決定会合後、記者会見する日銀の植田和男総裁(26日午後、日銀本店で)=三浦邦彦撮影 

 

 日本銀行は26日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めた。急速に進む円安への対応に関心が集まるなか、現状維持を決めたことで外国為替市場では円売り・ドル買いが加速し、同日のニューヨーク市場で一時、約34年ぶりの円安水準となる1ドル=157円台前半をつけた。半日で2円ほど円安に振れ、市場では政府・日銀による円買い・ドル売りの為替介入への警戒感が一段と強まっている。 

 

【図表】日銀が展望リポートで示した上昇率の見通し 

 

 会合後の記者会見で、植田和男総裁は「(一時的な要因を除いた)基調的な物価上昇率に、円安が今のところ大きな影響を与えていない」と述べた。為替の変動は経済や物価に影響する重要な要因の一つで、「基調的な物価上昇率に無視し得ない影響が発生すれば、金融政策上の判断材料となる」とも発言したが、市場では強い円安へのけん制はなかったとの受け止めが広がった。 

 

(写真:読売新聞) 

 

 日銀は前回3月の会合で、マイナス金利政策や長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)など、大規模な金融緩和策の終了を決定。今回の会合では、前回決めた短期金利の誘導目標を0~0・1%程度とする政策や、YCCの撤廃後の長期金利の急激な上昇を防ぐため、月6兆円程度の長期国債の買い入れ方針を維持した。 

 

 会合後、日銀は3か月に1度の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表した。 

 

(写真:読売新聞) 

 

 消費者物価指数の前年度比の上昇率の見通し(生鮮食品を除く、政策委員の中央値)は2024年度が2・8%、25年度が1・9%で、それぞれ1月時点から上方修正となった。初めて公表した26年度の見通しも1・9%で、見通し期間の後半まで日銀の物価安定目標の2%程度で推移するとした。 

 

 植田氏は2%の物価安定目標の実現に向けた「確度」については、「上がっている」との認識を示した。ただ、現状では基調的な物価上昇率は「2%を下回っている」として、「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」と述べた。 

 

 今後の政策判断について植田氏は、「基調的な物価上昇率が見通しに沿って2%に向けて上昇していけば、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と説明した。見通しが上振れる場合なども「政策変更の理由となる」としたが、判断の時期については「現状でタイミングを特定するのは難しい」と述べるにとどめた。 

 

 

 
 

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