( 164396 ) 2024/04/27 16:35:47 0 00 日銀の植田和男総裁(26日)=三浦邦彦撮影
【ニューヨーク=山本貴徳】26日のニューヨーク外国為替市場で、対ドルの円相場は一時、1ドル=158円40銭台に下落した。1990年5月以来、約34年ぶりの円安水準を更新した。日本銀行が26日に金融政策決定会合の結果を公表後、3円近く円安が進行し、円の下落に歯止めがかからない状況となっている。
【チャート】最近の対ドル円相場の推移
日本時間26日昼に日銀が結果を公表するまで、円相場は1ドル=155円台半ばで取引されていた。日銀が金融政策の維持を決定すると、円売り・ドル買いが加速した。植田和男総裁の記者会見でも、円安への強いけん制はなかったとの受け止めが市場で広がった。
昨年末時点では1ドル=141円前後で取引されていた。日銀は3月、マイナス金利政策の解除など大規模金融緩和策の終了を決定したが、円安の流れは止まらず、昨年末から約17円下落した。
一方、米国ではインフレ(物価上昇)の長期化を示唆する経済指標の発表が相次ぎ、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが先送りされるとの観測が強まっている。米長期金利は25日に4・7%台をつけ、昨年11月上旬以来、約5か月半ぶりの水準に上昇した。日米の金利差拡大が意識されやすくなり、ドルを買って円を売る動きが優勢となる主な要因となっている。
4月30日~5月1日のFRBの連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げの先送りが示唆された場合、さらに円安が進む恐れもある。市場では政府・日本銀行が為替介入に踏み切るとの観測が強まっている。
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