( 164799 )  2024/04/28 17:11:51  
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中国への外国人旅行客数が伸び悩んでおり、特に日本人の訪中客はほとんど減っている。

中国政府はビザ免除の対象国を増やし、訪中客数は回復傾向にあるものの、需要の回復には楽観できない見方もある。

改正反スパイ法の影響で外国人の中国への渡航が控えられる動きも広がっている。

中国への観光ビザ取得には手間がかかり、便数も減少しているため、日本の旅行会社は中国ツアーの販売を中止している。

中国への旅行は地政学的緊張も影響しており、中国の魅力的な観光地があるにも関わらず、現状は訪中が難しい状況にある。

(要約)

( 164801 )  2024/04/28 17:11:51  
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北京首都国際空港の到着ロビー=2月23日 

 

 【北京時事】海外から中国への旅行客数が伸び悩んでいる。 

 

 中国メディアによると、2023年の外国人入国者は、コロナ禍前の19年の半分以下にとどまった。日本への外国人旅行客はほぼ戻っており、中国の不振ぶりが際立っている。特にビザの取得が20年以降必要になった日本人は「ほぼ行かなくなった」(日系大手旅行会社の関係者)という。 

 

【ひと目でわかる推移グラフ】訪日客数と回復率(コロナ禍前との比較) 

 

 中国国家移民管理局によると、渡航前のPCR検査などの入国規制が撤廃された23年以降、訪中旅行客数は徐々に回復してきた。政府はビザ免除の対象国を増やし、同年12月にはフランスやドイツを追加。政府系研究機関は、24年の訪中客がコロナ禍前の半数近くに戻ると見込む。 

 

 ただ、業界では需要の回復を「楽観できない」といった見方が根強い。日本人はかつて訪中外国人の1割近くを占めていたが、ビザがネックとなり、JTBや日本旅行は中国のパッケージツアー販売を中止したままだ。 

 

 改正反スパイ法が施行され、外国人の拘束が相次いだことを受け、中国への渡航を控える動きも広がった。野村ホールディングスは、23年10~12月期に日米欧から中国を訪れた旅行客が4年前の5%以下にとどまったと分析。その背景には「地政学的な緊張がある」と指摘した。 

 

 中国の観光ビザの取得には、渡航者本人が同国の在外公館などに足を運ぶ必要がある。中国を発着する国際線の便数も減ったまま。先の日系企業関係者は「中国は近くて遠い国に戻った」と嘆き、「魅力的な観光地も多く、本当はすぐにでもツアーを再開させたい」と肩をすくめた。  

 

 

 
 

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