( 169943 )  2024/05/13 18:29:14  
00

フキハラとは、不機嫌な態度で相手をコントロールしようとする行動のことで、モラハラよりもわかりにくく、被害に遭っている可能性もあるとされています。

フキハラを専門とする三松真由美さんによると、モラハラが認知される中、フキハラについての理解が求められています。

フキハラはさまざまな原因があり、その影響は周囲にも及ぶことから注意が必要です。

対策としては、相手の機嫌を取ろうとせず、距離を置くことや自分の気持ちを保つ方法を知っておくことが重要とされています。

(要約)

( 169945 )  2024/05/13 18:29:14  
00

サンキュ! 

 

不機嫌な態度で相手をコントロールしようとする「フキハラ」。モラハラほどわかりやすくないため、いつの間にか被害にあっている可能性もあるんだとか。「恋人・夫婦仲相談所」の所長を務める三松真由美さんに解説してもらいました。 

 

【画像】モラハラよりも深刻!?妻と家族を苦しめる「フキハラ」の実情と対策を夫婦仲の専門家が解説 

 

近年、家庭内における「モラハラ(モラルハラスメント)」については、かなり認知度が上がってきました。マスコミなどで取り上げられる機会も増えたことで、被害にあっている人が「自分が危険な状態にある」と気づきやすくなったり、周囲の人が気づいてあげやすくなったりしてきています。認知の広がりにより、モラハラ被害を回避できる可能性も高まってきたと言えます。 

 

一方で、最近、注目されてきたのが「フキハラ(=不機嫌ハラスメント)」。モラハラよりもさらに外から見えにくく、またその影響も気づかれにくいため、知らない間に被害にあい、心をむしばまれている可能性があります。 

 

今回はまだまだ「見える化」されていない、フキハラについて考えてみましょう。 

 

モラハラをする人と言えば――自己中心的で常に自分が絶対正しいと考える。他人を尊重しないため相手を見下したり罵倒したりする。支配欲が強いため相手を監視・拘束するといった特徴があり、多くは「鋼のメンタル」の持ち主です。 

 

一方でフキハラな人の特徴は、モラハラな人とは少し異なります。もちろん、モラハラ気質で、自分を偉く見せたいためや相手を否定するために、尊大な行動や気難しい態度をとる人もいますが、そんな人ばかりではありません。不機嫌の特徴を挙げてみます。 

 

・周囲の人に対して「自分について関心を持ってほしい」「気遣ってほしい」といった「構ってちゃん要素」の表れである「不機嫌」。 

 

・「慢性的な体の痛み」「疲労感が抜けない」「ストレスが溜まっている」など体調不良やメンタルが弱っていることがもたらす「不機嫌」。 

 

・「何をやっても自分はうまくいかない」「自分はダメな人間なんだ」など自己肯定感の低さからくる「不機嫌」。 

 

・「自分は認められていない」「みんなにわかってもらえない」など承認欲求が満たされないことから発生する「不機嫌」。 

 

・自分の気持ちや考えをうまく言語化したり、周囲に伝えたりすることができないため、自分の気持ちを察してもらうための手段としての「不機嫌」。 

 

・自分の感情のコントロールがうまくできず、相手に八つ当たりをしたり、嫌味を言ったりすることでストレスを発散しようとするための「不機嫌」。 

 

などなど、フキハラにはさまざまな原因があります。 

 

 

そんなフキハラな人は、周囲にどのような影響をもたらすのでしょうか。フキハラをしている人によっては、自分が不機嫌な顔や態度でいることに自覚がなく、指摘を受けて初めて気がつくような場合があります。 

 

また反対に、人によっては、不機嫌と上機嫌を「ツンデレ」の一種のように巧みに切り替え、自分が優位に立てるコミュニケーションの方法の1つとして意図的に利用している場合もあります。 

 

そんな「無意識不機嫌」「意図的不機嫌」のどちらであっても、周囲にはマイナスの影響を及ぼします。なぜなら「不機嫌はうつる」からです。 

 

慶應義塾大学教授の満倉靖恵先生によれば、最新の脳波研究から、不機嫌が脳からダイレクトに脳波を介してまわりにいる人に伝わる可能性が明らかになってきたそうです。 

 

実際に私の主宰する「恋人・夫婦仲相談所」に寄せられた声を見ても… 

 

「夫がいつも不機嫌で、私に対して攻撃的な言葉を投げてきたり、こちらの問いかけを無視したりするので、夫と同じ部屋にいるだけで、気持ちが下がってしまいます」(35歳女性) 

 

「夫の不平不満を聞いてあげているうちに、なんだか自分もイライラして、『男のくせに情けないわね!』などと否定的な言葉をぶつけてしまい、けんかになってしまいました」(52歳女性) 

 

など、パートナーの「不機嫌がうつった」という経験を持つ妻はたくさんいます。では、このようにパートナーが「フキハラ」をしてくる場合、どのような対策をとったらよいのでしょうか?  

 

1。機嫌を取ろうとしない 

優しいあなたは、フキハラな夫の気持ちを少しでも和らげてあげようと、「〇〇してあげようか?」「私にできることはある?」などと気遣いをして、相手のご機嫌を直そうとしているかもしれません。しかし、これは相手の思うつぼ。「不機嫌になる=相手がちやほやしてくれる」と、フキハラで周囲をコントロールできることを学んでしまうと、フキハラはさらに加速してしまいます。決して甘やかさないこと。 

 

2。物理的な距離を置く 

前述のように、フキハラな人の様子を目にしたり、声を聴いたりするだけで、マイナスの感情が伝わってきます。従って、フキハラな人の姿が見えない、声も聞こえないところに避難することで、不機嫌の伝染を防ぐことができます。 

 

フキハラにあったら、相手の機嫌を直そうとせず、関わらないことがイチバン。相手からすぐに離れて自分の気持ちをしっかり守る。 

 

3。自分のご機嫌を保つ方法を知っておく 

気づかぬうちにすでにフキハラ被害にあっていて、ジクジクと心が蝕まれているかたもいるかもしれません。周囲から「最近、暗いね」と言われ始めたらアウト。そんな場合に有効なのが、自分のご機嫌のメンテナンス。 

 

「口コミ高評価の店でおいしいものを食べる」「好きなアロマを焚いてリラックスする」「1人カラオケで思いっきり歌う」「防水ラジオを持ち込んで長風呂して、大汗かく」など、なんでもOK。自分が元気になれるモノやコトをたくさん持つのが回避策。 

 

鏡を見て「自分が不機嫌な顔をしている」と思ったら、セルフメンテナンスで自分の気持ちを上げていきましょう。眉間に縦皺ができていませんか?  

 

 

知らないうちに自分もそのマイナス面に引き込まれてしまうフキハラ。上記の対策をしっかり覚えておくほかに、ちょっと冷静になって周囲を見回し、誰かに相談してみることも、とても大事です。 

 

◆監修・執筆/三松 真由美 

会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。 

 

※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。 

※記事内容でご紹介しているリンク先は、削除される場合がありますので、あらかじめご了承ください。 

 

構成/サンキュ!編集部 

 

サンキュ!編集部 

 

 

 
 

IMAGE