( 170473 )  2024/05/15 01:50:47  
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ANAホールディングスは、利用者からの不当要求や嫌がらせに対応するためのマニュアルを作成した。

違法行為かどうかが明確でない場合もあり、明確な線引きを定めて従業員を守ることが重要としている。

2023年度には288件のカスハラが報告され、それぞれに対応策をまとめている。

厚生労働省も企業のカスハラ対策を推進しており、企業の対応が進んでいる。

(要約)

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全日空(ANA)の機体 

 

 航空大手のANAホールディングス(HD)が、利用者から理不尽な要求や嫌がらせを受ける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への対応マニュアルを作成したことがわかった。これまでは対応する社員の裁量に委ねられていたが、統一ルールを作成することで従業員を守る。空港では複数の航空会社がサービスを提供しており、対応が異ならないように同業他社との連携も図る考えだ。 

 

【表】ANAが把握したトラブル例と対策 

 

 カスハラには違法行為かどうかが明確でないことも多く、企業が対応に苦慮している。ANAHDは明確な線引きを定め、カスハラを繰り返す利用者には対応しないなど毅然(きぜん)とした対応を促す。 

 

 ANAHDによると、2023年度は社内で報告されただけでも288件のカスハラがあった。電話では暴言、空港では暴行、機内ではセクハラなどが多く、それぞれに対応策をまとめた。カスハラには複数人で対応するとともに、違法行為に発展した場合に備え、相手の承諾を得た上で録音・録画などの記録を残すことを基本とする。宮下佳子CS推進部長は「カスハラは他の乗客も嫌な気分にさせる。対応力に磨きをかけて防止に取り組む」と話す。 

 

 カスハラの被害は年々、深刻化している。連合が約1000人の会社員らを対象に22年に実施した調査では、直近5年間でカスハラが「増加した」との回答が36・9%を占めた。被害を受けた人の38・2%が「出勤が憂鬱(ゆううつ)になった」と回答している。 

 

 厚生労働省は22年にカスハラ対策の企業マニュアルを公表しており、企業の対応が徐々に進んでいる。東京メトロは今年3月、カスハラに該当すると判断した場合、原則としてその後の対応を断るなどとした指針を策定した。JR東日本も4月、同様の方針を公表している。東京都も防止条例の制定を目指している。 

 

 

 
 

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