( 174603 )  2024/05/27 16:19:56  
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静岡県知事選挙で、元浜松市長の鈴木康友氏が自民党推薦の大村慎一氏らを破って初当選した。

自民党は連敗を重ね、岸田首相にとって深刻な状況となり、「連敗スパイラル」が続いている。

失意の中、岸田首相は周囲から解散・総選挙のタイミングを模索しているものの、求心力への影響も懸念されている。

今後の重要な選挙が控える中、国民の怒りが相次ぐなかで、首相の支持率は低迷し、厳しい状況が続く見込みだ。

(要約)

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岸田首相(2024年1月撮影) 

 

 川勝平太知事の辞任に伴う静岡県知事選は26日、投開票され、立憲民主、国民民主両党が推薦した無所属新人の元浜松市長、鈴木康友氏(66)が、自民党が推薦した無所属新人の元副知事、大村慎一氏(60)ら5人をやぶり、初当選した。 自民党は、派閥裏金事件や岸田文雄首相の政治姿勢への逆風もあって、当初から苦戦を強いられ、大村氏は劣勢が伝えられた。ただ終盤にかけて鈴木氏を猛追して差は縮まり、最後は大接戦になったが、最終的に及ばなかった。 

 

【写真】静岡県知事選で落選が決まり、敗戦の弁を述べる大村慎一氏 

 

 裏金事件で国民の信用を失った自民党は、2月の保守王国・群馬の前橋市長選で推薦した現職が無所属新人に敗れた。4月の衆院3補選は全敗し、今月19日の小田原市長選でも推薦した現職が敗れるなど、国政、地方選ともに勝てない事態が続いているが、今回も敗れたことで「連敗スパイラル」が止まらず、自民党、岸田首相にとっては深刻な状況。有権者の厳しい「直近の民意」が突きつけられた形だ。 

 

 大村氏は今回、自民党色を薄め、幅広い支援を募る選挙戦を展開した。結果が与える影響を考慮した側面もあってか岸田首相や主要党幹部らも応援に入らず、今回の結果は「国政には影響しない」とする声もある。ただ、党本部の推薦候補が敗れた現実は大きい。 

 

 重要な選挙で負け続ける負のスパイラルが収まらない中、周囲の反対をよそに衆院解散・総選挙のタイミングを模索しているとされる岸田首相にとって、ついに「万事休すだ」(関係者)と冷ややかな声もあるとされ、首相の求心力にも影響する可能性もある。 

 

 今後も7月の東京都知事選などの重要選挙が続く。民間企業に負担を強いる定額減税の給与明細明記問題や政治改革への姿勢などをめぐり、自民党や岸田首相首相に対する国民の怒りは大きい。支持率も低迷したまま、次期衆院選へ向けた「選挙の顔」にも疑問符が付いたままの首相にとっては、かなり厳しい局面が続きそうだ。 

 

 一方、今回の選挙期間中、静岡1区選出の上川陽子外相の発言が波紋を広げ、発言の撤回に追い込まれた。上川氏の「ポスト岸田」に向けた機運もしぼむ可能性がある。 

 

 一方、初当選した鈴木氏は、市長経験者の知名度を生かしながらの選挙戦を展開。推薦を受けた立民、国民両党幹部の応援を受けるなどし、大村氏ら5人をやぶった。立民は、衆院3補選に続いて、自民に「4連勝」。立民、国民両党は次期衆院選での協力へ好例としたい考えだ。 

 

 

 
 

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