( 176733 )  2024/06/02 15:44:04  
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日本の家庭で親しまれているオレンジジュースが価格高騰や供給不足に見舞われていることを財務省の報告から知ることができる。

主要生産国であるブラジルや米国での自然災害や病害が原因で世界的な供給不足が生じており、日本でも果汁の国内在庫が不足している。

これを受けて大手メーカーがジュースの製造を休止している。

将来の価格動向については意見が分かれており、専門家からは低下する可能性もある一方で、ブラジルの状況次第では価格が現行の2倍まで上昇する恐れもあるとの警戒が示されている。

(要約)

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財務省の看板 

 

 家庭でおなじみのオレンジジュース。 

 

 原料の果汁はほぼ全量を輸入に頼っているが、オレンジ生産国での自然災害や病害発生で供給不足に陥り、円安の進行も加わって価格が高騰している。果汁を確保できない国内メーカーは相次いでジュースの販売を休止。かつてない「オレンジショック」が食卓を覆っている。 

 

【ひと目でわかる推移グラフ】オレンジジュースの輸入価格 

 

 財務省の貿易統計を基に計算すると、冷凍濃縮オレンジ果汁の平均輸入価格は2021年に1リットル当たり293円だったが、23年には円安の影響もあり550円に上昇。24年1~3月期はさらに上がって706円となった。5月には国際指標となる米インターコンチネンタル取引所の先物価格が史上最高値を更新、値上がりの勢いは止まらない。 

 

 背景には、オレンジの主要生産国ブラジルで発生した干ばつや大雨、果樹の病害がある。米国のハリケーン被害も深刻で、世界的な供給不足が起こった。日本の場合、20年に3084万リットルだった冷凍オレンジ果汁の輸入量は、22年には1770万リットルまで急減した。 

 

 23年には3738万リットルに回復したが、21、22年の輸入量が少なかった影響で、オレンジ果汁の国内在庫は不足状態が続く。 

 

 果汁不足を受け、国内大手メーカーのアサヒ飲料(東京)はオレンジジュースの販売を23年に停止、雪印メグミルクも一部休止した。森永乳業も6月以降に取りやめる予定で、同社の担当者は「心苦しいが、果汁の供給が安定しない中での販売継続は困難」と顔を曇らせる。 

 

 今後、オレンジ果汁の価格はどうなるのか。商品先物に詳しいマーケット・リスク・アドバイザリーの新村直弘代表取締役は、「5~7月のエルニーニョ現象の影響にもよるが、少しずつ低下する」との見方を示す。一方、ある果汁専門商社は「ブラジルでは今季も不作が避けられず、25年の末端価格は現行の約2倍まで上昇するとの覚悟が必要だ」と危機感をあらわにする。  

 

 

 
 

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