( 176773 )  2024/06/02 16:30:09  
00

満タンで1000km以上走れる車はコスパが良く、国産車でも見つけられる。

最近のEVやFCVも航続距離が向上しており、メルセデスEQS450+や日産アリアB9などのEVは長距離ドライブをこなすことができる。

三菱アウトランダーPHEVやトヨタプリウスなどのプラグインハイブリッド車も1000kmを超える航続距離が可能。

クリーンディーゼル車のMAZDA3やMAZDA2、トヨタヤリスも高い燃費性能を持ち、長距離ドライブで有望だが、1000kmを一気に走り抜くにはまだ力不足とされている。

(要約)

( 176775 )  2024/06/02 16:30:09  
00

無給油で1000km以上走れるとしたら、長距離ドライブもかなりコスパ良く走れる。そんな満タンで1000km以上走れるクルマは、探してみると意外と国産車に存在する。旅好きは候補に入れてみてもいいかもしれない。 

 

「電気自動車(EV)は満充電で走れる距離が短いから実用的じゃない」とEVの欠点を指摘するユーザーも少なくない。たしかに、初期のEVや軽EVなどは一充電航続距離が200km程度だったりするが、最近の上級モデルではだいぶ状況が変わっている。 

 

【写真】なんと3年保存可能! 持っておくと安心なガソリンの缶詰が存在してた! 

 

 たとえば、メルセデスのフラッグシップEVであるEQS450+(107.8kWh・RWD)の一充電航続距離は700kmに届くスペックとなっている。国産EVでも日産アリアB9(91kWh・FWD)ならば640kmの航続距離を誇っている。ほかにもレクサスRZ300e(71.4kWh・FWD)は599km、スバル・ソルテラ(71.4kWh・FWD)は567kmと、それなりの長距離ドライブをこなせるようになっているのだ。 

 

 状況が変わっているといえば、「航続距離を稼ぎたいならEVよりFCV(燃料電池車)のほうが有利だ」という見方も少々古いものとなりつつある。事実、トヨタMIRAIの一充填航続距離は約820kmにとどまっている。水素インフラの問題などからFCVの開発は停滞気味だが、このままでは航続距離の点でEVにキャッチアップされるのも時間の問題だろう。 

 

 そうはいっても1000kmを超える距離をノンストップで走るには、EVやFCVのようなエコカーでは、まだまだ力不足というのが現実である。 

 

 では、どんなモデルであれば満タン、もしくは満充電で1000km以上を一気に走り抜けることができるのだろうか。ハイブリッドカー、プラグインハイブリッドカー、そしてクリーンディーゼルと、国産車をピックアップして紹介しよう。 

 

 プラグインハイブリッドカーといえば、その象徴的なモデルといえるのが三菱アウトランダーPHEVだろう。3列シート7人乗り仕様もあるミドルサイズのクロスオーバーSUVというガタイのよさや2.4リッターエンジンを積んでいる点からすると、エコカーといっても航続距離を稼ぐには不利に思えるが、ベーシックなMグレードの満タン・満充電での航続距離は1016.6kmとなっている。 

 

 その内訳は、満充電したバッテリーでのEV航続距離が87km、WLTCモードのハイブリッド燃費が16.6km/Lで、燃料タンクが56リットルなので計算上は929.6kmの満タン航続距離となり、合わせて1000kmオーバーというわけだ。 

 

 トヨタ・プリウスの最上級グレードとなっているプラグインハイブリッド仕様なら、合計の航続距離はもっと伸びる。こちらも満充電でのEV航続距離は87km、WLTCモード燃費が26.0km/Lでタンク容量は40リットルとなっているので、計算して合計すると1127kmとなる。 

 

 ちなみに、プリウスの2リッターハイブリッド仕様はWLTCモード燃費が28.6km/Lでタンク容量43リットルなので、計算上の満タン航続距離は1229.8km。サブスクサービスKINTO専用の1.8リッターハイブリッド仕様ではWLTCモード燃費32.6km/L、タンク容量43リットルとなるため満タン航続距離は1401.8kmと異次元のレベルとなる。 

 

 ロングドライブに有利な印象のあるクリーンディーゼル車はどうなっているだろうか。 

 

 1.8リッターディーゼルを積むMAZDA3の場合、もっとも好燃費のグレードとなるXD(6速AT・FWD)のカタログスペックは、WLTCモード燃費21.2km/Lでタンク容量51リットルとなるため、計算すると満タン航続距離は1081.2km。意外にもハイブリッド勢には差をつけられている。 

 

 マツダの1.5リッターディーゼルを積むコンパクトカー、MAZDA2には6速MT車が設定されており、こちらのWLTCモード燃費は25.2km/L。タンク容量は44リットルとなっているため、計算上の満タン航続距離は1108.8kmとなる。 

 

 コンパクトクラスのハイブリッドカー代表といえるトヨタ・ヤリスがWLTCモード燃費36.0km/L、タンク容量36リットルで、満タン航続距離1296kmとなっているので、やはりクリーンディーゼルでハイブリッドを超えるのは難しいといえるのかもしれない。 

 

 もっとも、1000kmをノンストップで走れるパフォーマンスがあったとしても、それをクルマ選びの基準とするのは現実的ではないだろう。なにしろ、1000kmというと100km/h巡行でも10時間かかるわけで、かなりタフなドライバーでなければ実行できない距離とはいえるのだから……。 

 

山本晋也 

 

 

 
 

IMAGE