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2024年3月1日、福岡市で開催された「マイナビ就職EXPO」では、学生たちが企業の説明を聞いていた。

現在、円安やインフレ、人手不足の影響で、「初任給戦争」が起こっており、大卒(事務技術職)の初任給が平均5.68%上昇したという。

連合の調査によると、初任給の増加率は業界や企業規模によって異なり、初任給格差が広がる中で、一部の業界では格差を縮める動きもある。

大手地方銀行の福岡銀行が初任給を26万円に引き上げることを発表し、競争が激化している。

(要約)

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「マイナビ就職EXPO」で企業の説明を聞く学生たち=福岡市中央区で2024年3月1日午前11時49分、矢頭智剛撮影 

 

 急速な円安とインフレ、人手不足の波が押し寄せる中、「初任給戦争」が沸騰している。連合の集計によると、今春闘を経た大卒(事務技術職)の初任給は、改定前と比べ平均5・68%の上昇となり、データを公表している2007年以降、最大の伸び率になっている。 

 

【グラフで見る】昨年度から急激変化…大卒初任給伸び率の推移 

 

 連合が傘下労働組合の企業側回答を中間集計(5月2日時点)した。これによると、初任給の増加率が最も大きかったのは、飲食店などを含む「サービス・ホテル」の10・34%。「製造業」は5・74%、百貨店やスーパーなどの「商業流通」が5・18%で続いた。「情報・出版」は3・04%と伸び悩んだ。「その他」は6・24%だった。 

 

 企業規模が大きいほど初任給の増加率が大きく、「従業員数1000人以上」が6・43%、「300~999人」が5・68%だった。「100~299人」は5・39%、「99人以下」では4・43%となり、企業規模に応じて最大2ポイントの差がついた。 

 

 大手と中小の「初任給格差」が開く中で、業界によっては、その差を縮める動きも活発になっている。 

 

 4月1日にあった福岡銀行の入行式。新入行員230人を前に、五島久頭取は「私からサプライズを用意しました」と切り出した。  

 

 「皆さんの初任給は21万5000円ですが、7月から4万5000円引き上げて26万円とします」。メガバンクの初任給(25万5000~26万円)に、肩を並べることとなる。 

 

 従来、有力地方銀行はメガバンクより初任給を1万~2万円程度高くして人材を引きつけるのが業界の秩序だった。ところが、メガバンクが昨年から今年にかけ初任給を5万円ほどアップ。この水準に追いつこうと、福岡銀行だけでなく、横浜銀行や京都銀行なども初任給を26万円に引き上げる方針だ。【後藤豪】 

 

 

 
 

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