( 177428 )  2024/06/04 16:52:49  
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新卒から定年まで銀行で働いた父親や営業マンの兄と比較されながら育った28歳の男性が、退職代行サービスを利用して仕事を辞めた現状が報じられている。

彼は苦労を乗り越えながらも、家族の期待や自らの選択に疲れを感じている様子が描かれている。

(要約)

( 177430 )  2024/06/04 16:52:49  
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父親は新卒から定年まで勤めあげた銀行マン。メーカー勤務の兄は営業マンで成績もよく、昔から比較されて育つ 

 

 この4月に社会人デビューした人たちがすでに退職ラッシュをキメている。しかも自ら退職届を出すのではなく、「退職代行サービス」を利用しているという。 

 人気拡大中のサービスだけあって、利用方法はいたって簡単。代行業者と打ち合わせのうえ退職日を決め、料金を支払うと、業者が本人に代わって会社に退職の連絡をしてくれるのだ。彼らはなぜ業者にすがったのか、事情を探るべく直撃してみた。 

 

「安易に退職代行サービスを使わなければよかった…………」 

 

 そう振り返るのは、大阪府の食品工場で働く飯沼勇人さん(仮名・28歳)。かつては総合病院で医療事務をしていたが、わずか1か月で退職してしまったとか。 

 

「女性だらけの職場で、教育もろくにしてもらえず、誰とも馴染めずにツラかった。入ったばかりで辞めると言うのはさすがに気まずいから、2万円を払ってでも退職代行に依頼するほうが楽だなと。揉めることは一切なかったし、こんな簡単に辞められるんだなって、正直驚きました」 

 

 実は、飯沼さんが退職するのは2度目だ。最初は銀行で支店長をしていた父親のコネで、別の銀行に新卒で入社したが、あっさり2年で辞めた。 

 

「営業ノルマと残業の多さについていけず、支店長から詰められる毎日でした。限界だと感じて退職した夜、父親に報告したら『嫌なことから楽して逃げてばかりの人間に幸なし』と切り捨てられました」 

 

 総合病院を退職後、居づらくなった実家を出て1時間ほど離れたエリアで一人暮らしを開始。そこから待っていたのは、地獄の転職活動だった。 

 

「最初の就職では2年、その次の転職先もたった1か月で『自己都合による退職』では面接にも辿り着かない。貯金は底を突き、兄から50万円を借金して、現実逃避するために朝からパチンコに並んでは自己嫌悪に陥ってました」 

 

 3か月の転職活動を経て、受け入れてくれた職場は近所にある冷凍食品の工場だった。 

 

「『楽して逃げた』と言う父親を見返すために頑張りたい気持ちはあるが、全然うまくいかない。どうせうまくいかないのなら、最初から頑張らずに楽な道だけを歩いていたいんです」 

 

取材・文/週刊SPA!編集部 

 

―[[退職代行する人]の主張]― 

 

日刊SPA! 

 

 

 
 

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